ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

最後は3000m越え:台風が心配

2015年05月27日 00時48分33秒 | Weblog
「涸沢テント村」とはよく言ったもので、今年のGW期間中も北アルプスの涸沢は色とりどりのテントで溢れかえったようだ。
ネットで調べたり、山仲間からの情報では今年は雪解けが早く、テンションはやや下がり気味となっていた。
それでも一年前から立てていた計画を実行。
今年の雪山の締めくくりは「奥穂高岳」だ。
この山を登れば、雪山登山における標高の自己記録を更新できる。
しかし、台風の接近によりどれだけ山が荒れるかが懸念された。
「まぁ無理せず登れるところまでは・・・。」

5月11日の早朝5時30分に上高地入りした。
肌寒かったが、天候はまずまずで一安心。
軽く朝食を食べ登山届けを提出、そして準備運動をし5時50分ターミナルを出発。
久々の20㎏越えのザックは堪えるなぁ(苦笑)


定番の一枚を撮った。
まだだれも河童橋にはいなかった。
あまりの静けさに嬉しさがこみ上げてきたが、日中ともなれば観光客の喧騒で賑わう場所だ。
今だけこの刹那の静寂をじっくりと感じていたい。

遙か遠くには残雪の北アルプスの峰々が屹立している。
この風景を何度眺めたことだろう。
初めてここに来たのは自分が26歳の時だった。
登山を始めてまだ3年目であり、山の怖さなどろくに知らない生意気な青二才だった。
そんなことをふと思い出しながら、梓川沿いを歩く。
新緑の上高地は本当に気持ちが良く、足取りも軽い。(だがザックは重い)

明神を過ぎて昨年とほぼ々ポイントで猿の群れに遭遇した。
ここの猿たちはいたって大人しく、えさを求めて人を襲うことは無い。
むしろ人間なんて無視しているかのような素振りだ。

心を和ませてくれた猿たちと別れ徳澤園に着く頃、なんとこんな樹木を見つけた。

花や樹木にはとんと疎いが、これって「桜」か?
殆ど葉桜にはなってしまっていたが、間違いなく桜の木であろう。
「へぇ~・・・」っと感心しながら徳澤園に到着した。
ここまでちょうど80分。
最初の休憩を入れた。

GWも終わってしまえば登山者は極めて少なく、途中大きなザックを背負っている人とすれ違ったのは僅かに2名だけだった。
ここで休憩している人も、自分を含めて3名だけ。
日本屈指の登山ルートとしては少し淋しい気もする。

横尾では行動食を食べた。
背中にはうっすらと汗を感じていた。
「ここから先がまた汗をかくんだよなぁ・・・」

ババ平(槍ヶ岳)へと向かう人がおり、雪の少なさと台風の影響について話をした。
「もう一日早ければねぇ」と、お互い苦笑い。
安全登山を願いここで別れた。

ジャケットを脱ぎ、残雪の前穂高を見ながら再びスタート。
樹林帯の中は蒸し暑い。
徐々に積雪が目立ってきたが、やはり昨年よりも少なめであることは明らかだった。


屏風岩を見ても雪は少ない。
北穂を見ても同じ。
なんかテンションが更に低くなってきそうだ。
この先、本谷橋を過ぎてからが今日一日の中で最も体力を必要とするルートとなるのに、こんなテンションで大丈夫か?
自分で自分が心配となってしまった。

この辺りから多くの下山者とすれ違うようになった。
これから先のルートや奥穂高岳の最新の情報を仕入れることができた。
やはり山自体の積雪は少ないらしい。
う~ん、なんとか気持ちを盛り上げて進みたいところなのだが・・・。

本谷橋で小休止。
時刻はまだ昼前だし、今日は急ぐ必要はない。
のんびりと休憩をし、アイゼンを装着した。
「このアイゼンを使うのもこれで最後か・・・。」
だからこそ良い思い出を作りたいし、なんとしても登頂したいものだ。


斜度が徐々に厳しくなってきた。
と言うより「暑い!」
だらだらと汗がしたたり落ちてくる。
「ここから先が長いんだよなぁ~」
延々と続くような雪の斜面をひたすら登り涸沢へと向かった。(「暑っ!!!」)

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