ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

みんなで劔岳:来年の劔岳は・・・

2017年10月23日 00時10分09秒 | Weblog
平蔵のコルのすぐ手前、ガスの彼方にぼんやりと見える「早月尾根」。
確証はなかったが、たぶんあれが早月尾根の最終ルートあたりではないかと思った。

AM君が岩の上に登り一言。
「早月ルートからも登ってみたいですね。」
「そうだなぁ・・・。技術的には別山コースの方が上かも知れないけど、時間がかかるんだよね。でもチャンスがあったら登ってみるべきかもね。」
「私はいいです(笑)。」
と、KMさんが一言。
それよりもせっかくだから一枚撮ろうと決めた。
「はい、KMさん、こっちきて!」
半ば無理矢理ポーズをとらせてハイパチリ♪

題して【こちらが劔岳唯一のトイレでございます】

「え~っ、私恥ずかしいです!」
それじゃぁってことで、気を取り直してもう一枚。
【あちらに見えますのが早月尾根でございます】

これで機嫌を直してもらった。
でもって自分はカッコつけて一枚。

【山おやじの後ろ姿】

コルで小休止を入れ、平蔵の頭(ずこ)へと向かった。

一端短いクサリを下るが、ここから見下ろす平蔵谷の眺めもまた素晴らしい。
「○○さん、本当にここを独りで登ってきたんですか?」
突然AM君からの質問だった。
「うん、嘘みたいな話だけど本当だよ。登ってみたくなった?」
少し間をおいて「そうですねぇ・・・チャレンジしてみたいですね。」
「来年どうする? 思い切って長治郎谷から登って、ここ(平蔵谷)から降りてみるかい?」
もちろん半分冗談ではあったが、半分本気でもあった。
返事はなかったが、実は自分の中ではチャレンジ構想の一つとして存在している計画だ。

AM君がクサリ場を下る。

突然、「おぉーこれって気持ちいいです!」
何事かと思い下を見てみると・・・。

気持ちよさそう~と言うよりも、滑落してしまった登山者の様に見えたのは自分だけではないだろう。

続いてKMさんが降りた。
ちょうどバックにタテバイが見えている。

【あちらがカニのタテバイでございます。】
「KMさん、つい数時間前にあそこを登ったんだよ。凄いことをしたんだよ。実感湧いてる?」
「なんかまだよくわからないんです。たぶん、下山して何日かしてから感じるかもしれないです。」
彼女の気持ちはよく分かるつもりだ。
緊張の中、集中してある意味夢中で登り切ったタテバイ。
無心だったのかも知れない。

ところがそんな彼女がなにやら花を見つけて乙女チックになっているようだった。

「チングルマっていろんな所に咲いてますけど、こんな所にも咲くんですね。なんか不思議です。」
思わずシャッターを切ってしまったが、一体彼女に何があったのか・・・。
急に「山乙女」になってしまったKMさん。
大丈夫か?

「おらぁ~! そこの山女、頭を登るぞー!」
気合い一発、まだまだクサリ場は続くのだ。


自分が先陣を切って登った。
「見た目以上に楽だから。ホールドポイントはかなりあるし、クサリは補助的で十分だよ。」
そう言って後続にGOサインを送った。

タテバイの登りに比べればここは随分と楽に思えるだろう。
見ていて何の心配も無かった。


「もう少しだから、気は抜かないで!」
その程度のアドバイスで十分だった。


「はい、お疲れさん。頭のてっぺんだよ。」
着くやいなや、すぐ下りのクサリ場を見つけたKMさん。
「次はここを降りるんですね。」
なかなか頼もしい余裕の言葉に思えた。
考えてもみれば、登山歴間もない彼女がいくら自分が事前に予備情報を教え、本番で助言したり手本を見せながら先導したとはいえ、己自身の力でここまで来ているんだ。
技術だけでなく、メンタルだってそこそこ鍛えられているはずだろう。
山ガールはもう卒業だ。


復路における頭の下り。
カメラを向けるとポーズをとってくれる余裕があった。
(「だからさぁ、あのぉ、もうちょっと色気のある女性っぽいポーズを・・・」)
と言いたいのを堪えた。
山で色気を求めるのは御法度・・・かな。

ここまで来ればもうそれほど危険なクサリ場は無い。
かといってリラックスできる状態ではなかったが、実はさっき見下ろした「平蔵谷」の雪渓がどうにも気になってしまっていた。
「長治郎谷から攻めて、平蔵谷で下る・・・か。 やってみたい。」
が、その前に裏劔が待っている。
先ずは北方稜線を終えてから考えよう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿