ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

雪の降る夜:登攀開始

2013年02月23日 23時45分33秒 | Weblog
茅野駅は途中下車であり、寝過ごしてしまうことが心配であったが、車内では少しだけ仮眠をとることができた。


9時に茅野駅に到着。
何口に出ればよいのか、そんなことまでは事前に調べておかなかったが、ここから登山口の「渋ノ湯温泉」まではタクシー利用となる。
週末や休日であればバスが運行されているのだが、今日は平日であるためタクシー以外に足は無かった。

時間にして約40分ほど。
料金は7000円なり。
少々痛い出費ではあったが致し方ない。


今のところ天候はまずまずなのだが、予報はあまりよくない。
どれだけ崩れてくるのか分からないが、できるかぎり早くテン泊予定地に到着したい。

登山届用紙に必要事項を記入し、ゲイター、アイゼンを装着。
煙草を一本吸っていよいよ登攀開始だ。
時刻は10時45分。
予定より30分ほど遅れてのスタートとなってしまった。
遅くとも15時までには着きたいところだ。

今回の山行における目標は三つ。
①雪中テント泊の経験(設営・水作り・換気・寒さを体感・撤収)。
②テン場から天狗岳までのルートファインディング。
③どんなに細かなことでも面倒がらずに実行する。

一度経験することで、頭の中だけに存在していた雪中テント泊のノウハウをある程度は自分のものにすることができる。
そしてそれは、初めてのことだけに大きな経験値となってくれると信じている。


いきなりの登攀となったが、ほどなくしてフラットなルートとなる。
最初の分岐点を右に曲がれば、ここからは急登攀だ。
自宅での事前チェック時に地図を見たとき、等高線の間隔が狭く「やだな・・・」と感じたポイントだ。


この写真のポイントは緩やかな上り坂だが、徐々に勾配は上がりけっこうきつさを感じてきた。
おまけにザックは重い。
「かぁーっ! きついなぁ・・・」
同じ独り言が何度も出てくるようになった。
足取りが次第にスピードダウンしてくるのが嫌でも分かる。
「ハァハァ」と息遣いも荒くなってきた。
「情けねぇなぁ・・・」と思いつつも登るしかない。

本当に情けないことであるが、「5分・・・5分登ったら1分だけ休もう」。
そう決めて再び登攀開始。
何が一番きついかといえば、当然ザックの重量だった。
1分間休憩のときは上半身を90度前に倒し、背中全体の「面」でザックを受け止めるようにした。
かといってザックを下ろしてしまうと、また担ぐことが大変になる。
立ったままの状態で前屈みになり、ザックを背中全体で受け止めながらの1分間休憩が最も楽だった。

「早くここを越えたい・・・」
思いはだたそれだけだった。