帰ってきたウルトラマンと3つの主題歌

今、わしにとってのマイブームは
『帰ってきたウルトラマン』。

『帰ってきたウルトラマン』とは、
今から48年前の1971（昭和46）年から
翌72（昭和47）年にかけてTBS系列
（広島ではRCC）で放送された、
円谷プロ制作の特撮テレビ番組。

わしがリアルタイムで見た
初めてのウルトラマンシリーズである。







今年2月末、3枚組CD
「帰ってきたウルトラマン
MUSIC COLLECTION」（日本コロムビア）が
発売された。

このCDを聞き込んでいたころ、
テレビでサントリーのビール
マグナムドライのCMが流れ始める。

そして、NHK「ラジオ深夜便」の
4月10日（水）午前3時台、
「すぎやまこういち(作曲)作品集」
の中の1曲として、
「帰ってきたウルトラマンの歌」が
紹介された。





↓マグナムドライのCMについては、こちら↓

「帰ってきたウルトラマン」を完コピ？反町隆史＆EXILE NAOTOの決めポーズも！ 　「マグナムドライ＜本辛口＞」新CMが公開YouTube





ところで、
『帰ってきたウルトラマン』には、
ボツになったものを含めると
3つの主題歌があった、
というのはご存じじゃろか？

主題歌として放送された
「帰ってきたウルトラマン」。

録音までされたもののボツとなった
「戦え！ウルトラマン」。

そして、ボツとなったそのメロディが、
番組中でBGMとして使われていた
「帰ってきたぞウルトラマン！」

の3つ。





今回は、
『帰ってきたウルトラマン』
3つの主題歌について紹介しよう。





1.「帰ってきたウルトラマン」
（作詞：東 京一、作・編曲：すぎやまこういち）

テレビ画面いっぱいにきらめく
光の渦の中から、
「帰ってきたウルトラマン」の
文字があらわれる。

バックに流れるのは、
「M-63（オープニング）」のテーマ。

「光の国」からやってきた
ウルトラマンを表現した、
素晴らしいオープニング！！





このオープニングに続いて流れるのが、
主題歌「帰ってきたウルトラマン」。

歌うのは、
主人公・郷 秀樹（ごう ひでき）役
を演じた団 次郎（だん じろう）さん。

主役の俳優が主題歌を歌うのは、
ウルトラマンシリーズで初めてのこと。

団さんは最近、
NHK朝ドラ『べっぴんさん』『まんぷく』
などにチョイ役で出演されている。

『べっぴんさん』では見せ場があったが、
『まんぷく』はつなぎ役にすぎんかった
のが残念じゃったが…。





↓「帰ってきたウルトラマン」については、こちら↓

「帰ってきたウルトラマンOP」YouTube





余談じゃが…。



作詞の東 京一（あずま きょういち。
わしはむかし「とうきょう はじめ」と
読んどったが…）は、
本作のプロデューサーの
故・円谷 一（つぶらや はじめ）さんの
ペンネーム。

円谷 一さんは、
「特撮の神様」と呼ばれ、
円谷プロを作り、
ゴジラやウルトラマンを生み出した
故・円谷英二（つぶらや えいじ）さんの
長男でもあるんじゃの。



作・編曲のすぎやまこういちさんは、
ゲーム『ドラゴンクエスト』
の作曲家として有名。

個人的には、
テレビアニメ『サイボーグ009』、
『伝説巨神イデオン』、
アニメ映画『シリウスの伝説』（1981年）
で大変お世話になりました。





さらに余談じゃが…。



帰ってきたウルトラマンは当初、
ウルトラマンが帰ってきた（＝同一人物）
という設定で、初代ウルトラマンを
意識したもの。

そのデザインも最初は、
ウルトラマンのものに
線を1本追加した2重ラインだった。

が、それ（＝同一人物）では
商品が売れないということで、
初代ウルトラマンと
帰ってきたウルトラマンは別人
と設定され、
デザインも今のものに変更された。



そのせいか、主題歌も、
ウルトラマンの主題歌
「ウルトラマンの歌」（作詞：東 京一、
作曲：宮内國郎（みやうち くにお））
を意識したものじゃった。

たとえば、出だしの
「♪君にも（見える）」の部分は、
「♪胸に（つけてる）」と同じ。

「♪とどろくさけびを（耳にして）」と、
「♪光の国から（僕らのために）」
も同じ。

これは単に真似をした
ということではなく、
初代ウルトラマンに敬意を表してのもの
と思われる。





↓「ウルトラマンの歌」については、こちら↓

「ウルトラマンOp（フル）」YouTube





2.「戦え！ウルトラマン」
（作詞：東 京一、作・編曲：すぎやまこういち）

先に書いたように、
この曲は本作の主役・団 次郎さんが
歌入れまでしたものの、ボツとなった。

その理由は、
当時の子どもたちが歌うには
テンポが早すぎるから、
と聞いたことがある。

確かに、当時の子どもたち
（わしは小学2年じゃった）
が口ずさむにはテンポが早く、
難しかったと思う。





わしがこの曲を初めて聞いたのは、
『帰ってきたウルトラマン
マットアロー1号発進命令』
（DAICON FILM版）じゃった。

この作品は、1983年
大阪で開催された日本SF大会
「DAICON（ダイコン）4」の
プロモーション活動の一環として
制作されたもので、
円谷プロはタッチしていない。

この作品でウルトラマンを演じたのは
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』、
映画『シン・ゴジラ』で
総監督を務めた
庵野秀明（あんの ひであき）さん。

もちろん、プロでなく
アマチュア時代に作ったもの。

ビデオではなく、
8ミリフィルムでの制作というのが
時代を感じさせる。





↓「戦え！ウルトラマン」については、こちら↓

「DAICON FILM - 帰ってきたウルトラマン 予告編」YouTube



セットの作り込みといい、
怪獣の見せ方といい、
とてもアマチュアの作品とは思えません！





余談じゃが…。



最近のことは知らんが、
このころ各地で行われたSF大会には、
大会が開かれる地名に
コンベンションの「コン」をひっかっけた
名前がつけられとったんじゃの。

東京は「東（とう）＋コン＝TOKON」、
名古屋は「名（めい）＋コン＝MEICON」、
京都は「都（みやこ）＋コン＝MIYACON
という具合に。

そこから、
大阪で行われるSF大会は
「大（だい）＋コン＝DAICON」
になった。

ちなみに、
広島で行われるSF大会は
「広（ひろ）＋コン＝HIROCON」。





3.「帰ってきたぞウルトラマン！」
（作詞：東 京一、作・編曲：冬木 透）

この曲は、本作のBGMを担当した
冬木 透さんの手によるもの。

ウルトラマンシリーズは、
本作から、主題歌とBGMを別の作曲家が
担当することになった。

主題歌と挿入歌はすぎやまさん、
BGMは冬木さんという具合に。

とはいえ、冬木さんも
「戦え！ウルトラマン」と同じ歌詞で
主題歌を作曲したが、
録音にまでは至らなかったという。

この曲は本作のBGMで、
M12（ウルトラマンのテーマ／戦い）、
M13（ウルトラマンのテーマ／
夕陽に立つウルトラマン）として
録音、放送されているので、
ご存じの方も多いじゃろう。





↓M13（ウルトラマンのテーマ／夕陽に立つウルトラマン）については、こちら↓

「帰ってきたウルトラマンBGM」YouTube





この曲は放送から20年後の1992年、
「帰ってきたぞウルトラマン！」
のタイトル、「アニキ」こと
水木一郎（みずき いちろう）さんの歌で
日の目を見た。





↓「帰ってきたぞウルトラマン！」については、こちら↓

「帰ってきたぞウルトラマン!（間奏入りアレンジ）- 水木一郎」YouTube





…以下、余談。



先日、ブラックホールの撮影に
初めて成功したというニュースがあった。

このブラックホールは、
地球から約5,500万光年の彼方にある
おとめ座のM87銀河の中心にあるとされる。

…M87銀河？

どこかで聞いたような名前じゃが…？

そう、ウルトラの国は
銀河系から約300万光年離れた
M78星雲にあるという設定。



『ウルトラマン』の第1話で、
怪獣ベムラーを追って地球にやってきた
宇宙警備隊員・ウルトラマンは、
科学特捜隊のハヤタ隊員が乗る
ジェットビートルと接触、
ハヤタを死なせてしまった。

その際、ウルトラマンはハヤタに
「私はM78星雲からやってきた宇宙人だ」
と名乗る。

実はこの「M78星雲」、
本当は「M87星雲」という名前だった。

が、脚本を印刷する時に
「M87星雲」が「M78星雲」と
間違って印刷され、
それがそのまま録音・放映されたため、
それ以降、
M78星雲＝光の国＝ウルトラの星
という設定になったそうじゃ。





2021年10月8日、午前5時50分ころ
NHKラジオ『マイあさ』で
「帰ってきたウルトラマン」の歌が
放送されました。

これは、前日に報道された
作曲家・すぎやまこういちさん死去
を受けてのもの。

すぎやまさんの
ご冥福をお祈りいたします。

（青文字部分：2021年10月8日追加）





今日は、
『帰ってきたウルトラマン』と、
ボツになった3つの主題歌
について話をさせてもらいました。



ほいじゃあ、またの。