2010 FIFAワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の開幕まで、あと3日。
日本の緒戦、対カメルーン戦まで、あと6日じゃ。
【問題】
サッカーW杯の主審が自分で選ぶことができるのは、次のうちどれでしょう?
1.ウェア
2.試合会場
3.線審
4.ホイッスル(笛)
【正解】
4.ホイッスル(笛)
【解説】
競技用ボールなど製造のモルテン(広島市西区)が昨秋発売したサッカー審判用の笛「バルキーン」が、11日開幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で使われる。
W杯に公式の笛はなく主審が自分で選ぶ。
同社によると、日本から出場する西村雄一国際主審が、11日のウルグアイ-フランス戦でバルキーンを使う予定という。
バルキーンは吹き始めに音が出やすく、太く高い音で広い競技場でも響きやすいという。
今年のJリーグ公式用具にも認定されている。
(「モルテンの笛 W杯デビュー」中国新聞 2010年6月8日)
W杯に公式のホイッスルはないんじゃのう。
わしゃ、知らんかった。
今日は、「バルキーン」「W杯の公式球」「モルテン」について調べてみようかの。
まず、バルキーンについて。
サッカー以外のスポーツでもそうじゃが、審判の吹くホイッスルの音には、ほとんど注意を払うとらんかった。
「ピッ」「ピー」と、とりあえず音が出りゃええと考えとった。
しかし、ホイッスルを吹く側にしてみりゃ、正しい審判も当然のことながら、吹きやすいとか、手に持ちやすいとか、適切な音を出しやすいとか、ということも必要になってくるんじゃろうの。
で、あちこち探してみたら、バルキーンを使ってみた感想を載せたブログを見つけた。
↓くわしくは、こちら↓
「バルキーン 2010-05-03」タッチラインのうちそと
http://blog.goo.ne.jp/miyamarindou/
この方によると、バルキーンは同じモルテンのホイッスル、ドルフィンに似とるそうじゃ。
ドルフィンもええ音がするそうじゃが、少し持ちづらい。
ホイッスルの左右両面を持つと、音がこもってしまう。
ええ音を出すためには尻尾(ヒモを取り付ける部分)を持たんにゃいけんのじゃが、持つのが難しいそうじゃ。
その点、バルキーンは尻尾の部分が大きく持ちやすく、音の反響の邪魔をしない作りになっとるんじゃそうな。
何というても、「バルキーン」というネーミングがええですのう。
ハヤブサ(オランダ語でVALK)をモチーフにしたシャープなフォルムは、ピッチを鋭い(英語でKEEN)視線で見渡す審判員の姿を象徴するものである。
そして、VALKEENという名前には、勇者を讃える戦場の女神バルキリーのイメージを込めた。
↓バルキーンについて、くわしくはこちら(音も聞けます)↓
「バルキーン サッカー審判員用ホイッスルの最高峰」モルテン
http://www.molten.co.jp/sports/product/equipment/whistle/ra0030/index.html
次に、W杯の公式球。
サッカーW杯で最初に公式球が使われたのは、1970(昭和45)年のメキシコ大会から。
当初から公式球を提供しているのが、ドイツのスポーツ用品メーカー・アディダス。
前回、2006(平成18)年のW杯ドイツ大会で公式球として使われたのが、「チームガイスト」。
もちろんアディダス製のサッカーボールじゃが、このボールにはモルテンから提供された技術が使われとります。
そして、その開発は2001(平成13)年から、極秘裏に始められとったそうじゃ。
手縫いのボールは表面にむらができやすく、雨天時には縫い目から水が入る。
わずかなボールの変化が、プレーに影響する。
目指したのは、凹凸がなく、天候にも左右されない「究極の球体」だった。
しかし、平面図をボールの曲面にあわせると、すき間ができたり、楕円(だえん)になったりして、「最初は、いびつなジャガイモばかりだった」。
100分の1ミリ単位でカーブを微調整し、何十回となく試作を繰り返した。
そしてようやくたどりついたのが、2枚羽根のプロペラ型のパネル。
「接合部を極限まで切りつめたら、この形状になった」。
パネルの枚数は14枚。
特殊な接着剤で張り合わせた結果、縫い目も消えた。
国際サッカー連盟(FIFA)から公式球の採用内定の連絡が入り、量産の見込みがたった昨年夏、スタッフは、広島市内の居酒屋でひそかに祝杯をあげた。
(「町工場発究極ボール、公式球に採用…夢を支える(上)」読売新聞 2006年5月29日)
http://www.yomiuri.co.jp/wcup2006/news/20060529iew3.htm
「100分の1ミリ単位で微調整」なんて、言葉では簡単に書けるが、大変な苦労があったんじゃろうの。
居酒屋で祝杯をあげるくらいじゃ足りんで。
そのおかげか、W杯用の公式球・チームガイストの試作品を蹴ってみた、当時のイングランド代表・ベッカムやフランス代表・ジダンは、「狙い通りに球筋を描ける」と絶賛。
しかし、ゴールキーパーのドイツ代表・カーンは、そのシュートの速さと正確さに驚き、「困ったことになった」と漏らしたそうじゃ。
改良型の「チームガイストⅡ」は、2008(平成20)年の北京オリンピックで公式試合球として採用されとります。
そして、今回のアフリカ大会の公式球は、何かと評判がよくない(?)「ジャブラニ」。
このボールは、Jリーグで公式試合球として採用されとります。
最後に、モルテンについて。
モルテンは、明星ゴム工業(現・ミカサ)を退社した技術者らにより、1958(昭和33)年設立された。
本社は広島市西区横川新町。
サッカーはもとより、バレーボールやバスケットボール、ハンドボールなどの国際大会で公式球として採用されることも多いんじゃ。
ちなみにバスケットボールは、1984(昭和59)年のロサンゼルス五輪以来、7大会連続で公式球に採用されとります。
社名のモルテン(molten)は、英語のmelt(溶ける)の過去分詞で、古くても良いものは残しながら、新しいものは積極的に取り入れる前向きの企業姿勢で歩むところからつけられたそうじゃ。
↓モルテンについて、くわしくはこちら↓
モルテン
http://www.molten.co.jp/japanese/index.html
↓サッカーについての過去の記事は、こちら↓
日本サッカーがメキシコ五輪で銅メダルを獲得した時の監督は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100523
第87回全国高校サッカー選手権大会で優勝した高校はどこ?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20091120
今日は、「バルキーン」「W杯の公式球」「モルテン」について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。
今回のW杯は、主審の吹くホイッスルの音にも注目して見て(聞いて)みようかの。
ほいじゃあ、またの。
日本の緒戦、対カメルーン戦まで、あと6日じゃ。
【問題】
サッカーW杯の主審が自分で選ぶことができるのは、次のうちどれでしょう?
1.ウェア
2.試合会場
3.線審
4.ホイッスル(笛)
【正解】
4.ホイッスル(笛)
【解説】
競技用ボールなど製造のモルテン(広島市西区)が昨秋発売したサッカー審判用の笛「バルキーン」が、11日開幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で使われる。
W杯に公式の笛はなく主審が自分で選ぶ。
同社によると、日本から出場する西村雄一国際主審が、11日のウルグアイ-フランス戦でバルキーンを使う予定という。
バルキーンは吹き始めに音が出やすく、太く高い音で広い競技場でも響きやすいという。
今年のJリーグ公式用具にも認定されている。
(「モルテンの笛 W杯デビュー」中国新聞 2010年6月8日)
W杯に公式のホイッスルはないんじゃのう。
わしゃ、知らんかった。
今日は、「バルキーン」「W杯の公式球」「モルテン」について調べてみようかの。
まず、バルキーンについて。
サッカー以外のスポーツでもそうじゃが、審判の吹くホイッスルの音には、ほとんど注意を払うとらんかった。
「ピッ」「ピー」と、とりあえず音が出りゃええと考えとった。
しかし、ホイッスルを吹く側にしてみりゃ、正しい審判も当然のことながら、吹きやすいとか、手に持ちやすいとか、適切な音を出しやすいとか、ということも必要になってくるんじゃろうの。
で、あちこち探してみたら、バルキーンを使ってみた感想を載せたブログを見つけた。
↓くわしくは、こちら↓
「バルキーン 2010-05-03」タッチラインのうちそと
http://blog.goo.ne.jp/miyamarindou/
この方によると、バルキーンは同じモルテンのホイッスル、ドルフィンに似とるそうじゃ。
ドルフィンもええ音がするそうじゃが、少し持ちづらい。
ホイッスルの左右両面を持つと、音がこもってしまう。
ええ音を出すためには尻尾(ヒモを取り付ける部分)を持たんにゃいけんのじゃが、持つのが難しいそうじゃ。
その点、バルキーンは尻尾の部分が大きく持ちやすく、音の反響の邪魔をしない作りになっとるんじゃそうな。
何というても、「バルキーン」というネーミングがええですのう。
ハヤブサ(オランダ語でVALK)をモチーフにしたシャープなフォルムは、ピッチを鋭い(英語でKEEN)視線で見渡す審判員の姿を象徴するものである。
そして、VALKEENという名前には、勇者を讃える戦場の女神バルキリーのイメージを込めた。
↓バルキーンについて、くわしくはこちら(音も聞けます)↓
「バルキーン サッカー審判員用ホイッスルの最高峰」モルテン
http://www.molten.co.jp/sports/product/equipment/whistle/ra0030/index.html
次に、W杯の公式球。
サッカーW杯で最初に公式球が使われたのは、1970(昭和45)年のメキシコ大会から。
当初から公式球を提供しているのが、ドイツのスポーツ用品メーカー・アディダス。
前回、2006(平成18)年のW杯ドイツ大会で公式球として使われたのが、「チームガイスト」。
もちろんアディダス製のサッカーボールじゃが、このボールにはモルテンから提供された技術が使われとります。
そして、その開発は2001(平成13)年から、極秘裏に始められとったそうじゃ。
手縫いのボールは表面にむらができやすく、雨天時には縫い目から水が入る。
わずかなボールの変化が、プレーに影響する。
目指したのは、凹凸がなく、天候にも左右されない「究極の球体」だった。
しかし、平面図をボールの曲面にあわせると、すき間ができたり、楕円(だえん)になったりして、「最初は、いびつなジャガイモばかりだった」。
100分の1ミリ単位でカーブを微調整し、何十回となく試作を繰り返した。
そしてようやくたどりついたのが、2枚羽根のプロペラ型のパネル。
「接合部を極限まで切りつめたら、この形状になった」。
パネルの枚数は14枚。
特殊な接着剤で張り合わせた結果、縫い目も消えた。
国際サッカー連盟(FIFA)から公式球の採用内定の連絡が入り、量産の見込みがたった昨年夏、スタッフは、広島市内の居酒屋でひそかに祝杯をあげた。
(「町工場発究極ボール、公式球に採用…夢を支える(上)」読売新聞 2006年5月29日)
http://www.yomiuri.co.jp/wcup2006/news/20060529iew3.htm
「100分の1ミリ単位で微調整」なんて、言葉では簡単に書けるが、大変な苦労があったんじゃろうの。
居酒屋で祝杯をあげるくらいじゃ足りんで。
そのおかげか、W杯用の公式球・チームガイストの試作品を蹴ってみた、当時のイングランド代表・ベッカムやフランス代表・ジダンは、「狙い通りに球筋を描ける」と絶賛。
しかし、ゴールキーパーのドイツ代表・カーンは、そのシュートの速さと正確さに驚き、「困ったことになった」と漏らしたそうじゃ。
改良型の「チームガイストⅡ」は、2008(平成20)年の北京オリンピックで公式試合球として採用されとります。
そして、今回のアフリカ大会の公式球は、何かと評判がよくない(?)「ジャブラニ」。
このボールは、Jリーグで公式試合球として採用されとります。
最後に、モルテンについて。
モルテンは、明星ゴム工業(現・ミカサ)を退社した技術者らにより、1958(昭和33)年設立された。
本社は広島市西区横川新町。
サッカーはもとより、バレーボールやバスケットボール、ハンドボールなどの国際大会で公式球として採用されることも多いんじゃ。
ちなみにバスケットボールは、1984(昭和59)年のロサンゼルス五輪以来、7大会連続で公式球に採用されとります。
社名のモルテン(molten)は、英語のmelt(溶ける)の過去分詞で、古くても良いものは残しながら、新しいものは積極的に取り入れる前向きの企業姿勢で歩むところからつけられたそうじゃ。
↓モルテンについて、くわしくはこちら↓
モルテン
http://www.molten.co.jp/japanese/index.html
↓サッカーについての過去の記事は、こちら↓
日本サッカーがメキシコ五輪で銅メダルを獲得した時の監督は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100523
第87回全国高校サッカー選手権大会で優勝した高校はどこ?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20091120
今日は、「バルキーン」「W杯の公式球」「モルテン」について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。
今回のW杯は、主審の吹くホイッスルの音にも注目して見て(聞いて)みようかの。
ほいじゃあ、またの。
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