通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

あのころの廣島・呉(その2)

2016年04月25日 | 広島の話題
明治から太平洋戦争後まで

廣島と呉を中心に

廣島県産業奨励館






↓前回記事は、こちら↓

あのころの廣島・呉(その1)







今年(2016年)の秋、

映画『この世界の片隅に』(監督・脚本:片渕須直)

が公開される。





広島・呉市内で配布中の

ロケーションマップに出てくる場所、

そうでない場所も含めて、

かつての廣島と呉について話をしてみたいと思います。





第2回目の今日は、

廣島県産業奨励館じゃ。





↓映画『この世界の片隅に』については、こちら↓

映画「この世界の片隅に」公式サイト





↓漫画『この世界の片隅に』については、こちら↓

こうの 史代『この世界の片隅に(前編)』Amazon

こうの 史代『この世界の片隅に(後編)』Amazon





廣島県産業奨励館(以下、「奨励館」と略す)

いう名前を聞いても、

ピンとこん方がほとんどじゃろう。





奨励館は、今の原爆ドーム。





この建物、原作漫画では、

第1話(『冬の記憶(9年1月)』)と

第6回(『19年3月』)で奨励館じゃったころが、

第44回(『人待ちの街(21年1月)』)では、

原子爆弾が投下された後

廃墟になった姿が描かれとるんじゃ。







奨励館は、廣島県の物産品の販売促進を図る拠点として

今から101年前の1915年(大正4)

「廣島県物産陳列館」として建てられた。





チェコの建築家ヤン・レツル氏による設計で、

全体は3階建、正面中央部分5階建で、

その上に銅板の楕円形ドームがあった。





こうした建物は当時の廣島では非常に珍しく、

川面に映えるモダンな美しさもあって

廣島名所の一つじゃったそうな。





また、産業の奨励だけじゃのうて、

博物館・美術館としても使われ、

廣島の文化振興の場としての役割を担っとったんじゃと。





そういや、3年前の2013年

全国菓子大博覧会が広島市で行われたが、

菓子博の前身にあたる第4回全国菓子飴大品評会が1921年、

廣島県立商品陳列所(=奨励館)で行われたこともあるんじゃ。







今から71年前の1945年(昭和20年)8月6日、

奨励館の南東約160メートル、

上空約580メートルの地点で、

アメリカが投下した原子爆弾が炸裂。





先ほども書いたが、この建物の上には

銅板の楕円形ドームがあった。





銅は鉄に比べて融点が低いため、

原子爆弾の熱線で、銅製の屋根が最初に溶けてしもうた。





建物のほぼ真上から、熱線のあとに吹きつけた爆風は

溶けた屋根から入って建物内を通過したため、

今のように枠組みと外壁が残ったということじゃ。





その楕円形ドームの鉄骨の形から、

「原爆ドーム」と呼ばれるようになった

と言われとるんじゃの。








注目してほしいのが、

建物と川をつなぐように取り付けられた雁木。





雁木いうのは、川のそばに作られた、階段状の船着き場のこと。

船での輸送が盛んじゃった江戸時代に発達して、

廣島市内には、今も400ヶ所以上の雁木が残っとるそうじゃ。







奨励館があったところには、

江戸時代、廣島藩の米蔵があった。





そのころからここには雁木があって、

川船で運んだ物資の積み下ろしをしていた、

という話を広島城の学芸員の方から聞いたことがある。





雁木を単独で見るんじゃのうて、

建物(この場合、奨励館)と一揃いで見る

というわけじゃ。





↓広島城については、こちら↓

広島城ホームページ





映画『この世界の片隅に』の監督

片渕須直(かたぶち すなお)さんは

次のように書いとられる。





原爆ドームの下の雁木だけが、

この建物と同時に残されたもので、

戦前の形をとどめている。

「第13回 『生きている町』との触れ合い」1300日の記録[片渕須直]








原作漫画の第1話では、

主人公の浦野(うらの)すずが、

川船に乗って川を上っていった。





この建物は、船で川を行き来しよった人たちにとって

今のように地上から見るよりも、

川から見上げるものじゃったんかもしれん。





↓原爆ドームについては、こちら↓

「原爆ドーム」広島市





撮影日:2016年4月17日





今日は、廣島県産業奨励館、

今の原爆ドームについて話をさせてもらいました。



ほいじゃあ、またの。
コメント
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