タイトル--君子は上達し、小人(しょうじん)は下達(かたつ)す。『論語』 第46号 21.7.29水
君子といわれる人は、平生道義に従って日夜勉学修養するから、玉成の人格が構築され、名声愈愈高まるが、小人は安楽をむさぼり、かつ、利欲にのみ拘泥して私をほしいままにするから、人々からも忌み嫌われ折角の人生を無意義にし、堕落の極みに達する。
人間は顔かたちも違うように、心のありようをはじめとした性格も異なります。しかしながらどんな人も、出来れば幸せになりたい、衆目を集めたいという願望を持っています。
ではどんな人が幸せになれるのでしょうか。『論語』憲門は、「君子は上達し、小人は下達す」と教えています。先に解説したように、君子といわれる人になるためには、常に前向きに日夜勉学修養することであります。日々の小さな積み重ねが累積されて、本人も驚く程の境地に達するのです。小人とは、君子の逆の人だと考えればいいでしょう。
人間は、生来、その能力をより高め、より深めて人生を謳歌すると同時に、人々のお役に立つように生まれてきているのであります。
本来のそういった使命を具現するために、学ぶことと働くことに喜びを感じるように率先垂範すれば、精神的意義は表現出来ない程の境地に達するでありましょう。
そのためには、目標を定めて、諦めることなく日々実践することです。とかく学問というと、若い時代のことだと思いがちですが、学ぶということは、生を得てから終えるまで、やり続けることが大事なのです。そのことが、健康と長寿にも功を奏するのです。