人を使ふに心を以てし、言に応ずるに行を以てす。治體を苞括し、詞令を抑揚す。頁644
(訳)人を使うには心を以て思いやり、言ったことは実行を以て答えなければならない。政治の最も重要なところを保持し、辞令によって臣下の悪を抑え退け善を揚げ明らかにするようにする。頁644
人を使うには心を以て思いやり、とありますが、人間社会に生きるには「心を以て思いやり」という心情が何より大事だと思います。
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書籍の紹介
『白い巨塔』山崎豊子著
一 章
消毒液で手を洗い、看護婦の差し出したタオルで横柄に手を拭うと、財前五郎は、煙草をくわえて、外来診察室を出た。
とっくに正午を過ぎ、もう一時近かったが、病院の長い廊下には、まだ午前中の患者が折れ重なるように古びた椅子に坐り、自分に廻って来る順番を待っていた。どの顔も、病いを抱えている不安と焦燥に疲れ、落ち着きのない表情で、探るように互いの顔を見詰めている。財前五郎は、そうした病院の廊下を歩く時は、きまってわざと気難しい顔つきをして、通りぬけることにしている。それでも患者たちは、財前五郎であることが解ると、申し合わせたように椅子から立ち上って、畏敬と信頼に満ちた黙礼をした。
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この本の発行は昭和四十年七月二十日であります。半世紀前に発行した時は一世を風靡したものです。
学歴のない私はむさぼり読んだ記憶があります。とにかく読み書きを実践することだと思います。
この世に生きる人々と、共通理解のもとに日々に生きたいものです。