豊見城市 民俗文化財巡り(22)『与根地区』

2008年02月05日 00時05分39秒 | 沖縄現地情報
<ジジムイ(珠数森)>
豊見城市与根(よね)地区は、豊見城市の西部に位置し、豊見城市では唯一の「漁港」(与根漁港)を持っています。
6000年前、この一帯は浅瀬の海で、1000~2000年前に泥湿地となっていました。
現在、南隣接地の埋立地豊崎地区は、アウトレットモールやトミトンの商業施設や住宅地があり、豊見城市いや沖縄でも最高に成長著しい地区です。
市の産業振興策で造られた埋立地ですが、2001年から始まった企業用地の分譲は、すべて売れたと、昨年末に報じられていました。
沖縄では、まれな埋立地の成功例と言えます。
この地区のシンボルとして「ジジムイ(数珠森)があります。ジジムイは、標高37mの小山ですが、「琉球国由来」「琉球国旧記」にもその名が登場しています。雨乞いの神事を行う事が記されて、現在でも古来よりの聖域として大事にされています。

北東側に「ジジガー」があります。コンクリートで頑丈につくられていて、水も湧いています。拝所として人が拝みに来ている形跡もありました。山に入って行く道が出来ていましたが今回は遠慮しました。

▲<左、「ジジガー」後ろ、拝所祠の香炉には賽銭が今も置かれていました。右、手前の石の上には、沖縄線香が置かれていました。>

ジジムイ北側のバス通りを真直ぐ、海の方へ進み集落を抜けると「与根漁港」があります。漁船が30艘くらい停泊していました。那覇市から数十分の所にこんな漁港があったのには驚きました。
港の周囲には、「クロツラヘラサギ」で有名になった「豊崎干潟や具志干潟」があり、この辺は水鳥の生育地として沖縄有数の干潟や池・河口が多くあります。

▲<港の前に掛っている橋は、県道331号線「小禄バイパス・豊見城道路」(無料)橋を渡った所が、「アウトレットモール」です。糸満市の埋め立て地西崎まで開通しています。>


漁港から、南へ車で2~3分行った、住宅街の中に「土帝君(トゥーティンクン)」があります。


※「土帝君」は、中国から伝わってきた土地の神と言われています。
豊見城市においては与根、我那覇、平良の3か所にあり、土帝君が最初に伝来したのは史書「球書(きゅうよう)」によれば、小禄村の大嶺親方が中国より神像を持ち帰り、領地の大嶺村に祀った事が最初と言われます。
旧歴の3月3日、4日と8月15日には拝みが行われ、3月3日には、ウニとその他の海産物や農作物などを供えて祈願します。
当日も、中年のご夫婦が御参りに来ていました。
⇒「与根地区」は、完全に農・漁業地区です。県外からの移住者は、隣接の豊崎タウンか331号線沿いの地域に住む人が多い。