▲<沖縄県立美術館3階にある講堂前に設営された監督自作の絵画&ポスター>
沖縄県立博物館・美術館開館記念関連イベントとして、2月1日から2月3日まで『高嶺剛映画特集』として、監督の作品映画8本を一挙上映されていました。
私は、全く知らない監督であったが、「嘉手苅林昌(かてかりりんしょう)唄と語り」が見たくて、2月1日と2月3日の延べ2日間行き8本を観てきました。
作品は、「ウンタマギルー」(1989年)「パラダイスビュー」(1985年)「オキナワ・チルダイ」(1976年)「ワイルドウーマクオキナワンコンディショングリーン」(1979年)「嘉手苅林昌唄と語り」(1994年)「夢幻琉球・つるヘンリー」(1998年)「サンシングワー」(1973年)「オキナワンドリームショー」(1974年)トークセッション/高嶺剛&土江真樹子&親泊仲真。
▲<「夢幻琉球・つるヘンリー」の劇中で使われた脚本>
監督の作品は、独特の世界観による沖縄ムービーでした。
商業映画としての「パラダイスビュー」「ウンタマギルー」は、面白かった。ふたつ同時に観たのでストーリが頭の中で交錯したが(どちらも小林薫と戸川純が出演して似た内容)。
一番良かったのはやっぱり「嘉手苅林昌唄と語り」だった。本格的に嘉手苅林昌さんをじっくり見たが、一度でファンになった。これは、ご本人の人間的魅力に負う所が多いが、監督が惚れた人である事も作品に表れていたと思う。
他には、「ワイルドウーマクオキナワンコンディショングリーン」で、初めて「かっちゃん」の本職である「コンデンンショングリーン」の活動風景を見られた事が収穫だった。「沖縄カーボーイよろしくゴザイマス。」の『マサーおじいの傘』で、伝説の空手家の演技は彼にしたら、すごく抑えた演技だったのが理解出来た。
「夢幻琉球・つるヘンリー」の大城美佐子さんは、カッコ良かった!
▲<トークセッション出演メンバー、真ん中の赤いジャケットが高嶺剛さん>
「オキナワンドリームショー」は、監督には申し訳ないが寝てしまっていた。
沖縄に来て、恥ずかしながら知らなかった「高嶺剛監督」の作品をすべて観れて、さらに沖縄の風習・考え方が学ぶ機会を頂いた。
沖縄県博物館・美術館に、これだけの作品を一挙上映し、それも無料だった事に驚きと感謝をした次第。
※高嶺剛 1948年、沖縄石垣島川平生まれ、琉球政府立小禄高校卒、国費留学生として京都教育大学特修美術科で絵画を学ぶ。その頃から8mm映画を撮り始め、1974年日本復帰前後の沖縄の風景を凝視した『オキナワン ドリーム ショー』でデビュー。その後も一貫して沖縄を撮り続ける。『パラダイスビュー』(1985)は初の劇映画。『ウンタマギルー』でベルリン国際映画祭カリガリ賞など内外で多数受賞。その他、『夢幻琉球・つるヘンリー』(1998)、1996年のジョナス・メカス来沖がきっかけとなり生まれた『私的撮夢幻琉球 J・M』(1996~)など。現在、専門学校や大学にて非常勤講師をしながら、劇映画『変魚路』を準備中。