晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

オランダの青年 12/20

2006-12-27 | 旅行記

 2006.12.20(水)晴れ        
 7:30 起床   
 9:50 浜田部長宅発~R169~県道754号線~R24~木津川自転車道~
15:50 京都市着(久世橋)
 
 浜田部長は私たちが入社したころリーダー的存在で10月10日に話題とした北陸トンネル事故列車遅刻事件の本人である。強運の持ち主というのもさることながらやさしい人柄で、角館の樺細工の茶筒の話をしていたら、出張の際に買ってきていただいたことがある。勿論今日まで大切に使っている。お酒は昔から豪快で、ビール、日本酒、焼酎としこたま頂いた。旅の話や昔の話、酔っぱらってかつての同僚や先輩後輩に電話をしまくって楽しく過ごさせていただいた。朝は出勤される部長を見送り、ゆっくり準備をして出発する。Img_2341

仲良し浜田夫妻

 国道169号線は天理市から奈良市まで東側の歩道が自転車でも走りやすい段差の無い歩道となっていると厚ちゃんに教えてもらう。この歩道はまさにコロンブスの卵で、今までの歩道がなぜ土盛りしてあるのか不思議である。自転車ばかりでなく、車いすやお年寄りの歩行など絶対この方が通行しやすい。歩道の造成費も安つきそうで良いと思う。Img_2343

優れものの歩道

 道はそのまま奈良の中心街に入り、奈良ホテル、荒池、興福寺、県庁などを横目に見ながら北上する。木津に向かう県道に入るつもりが一本西の道に入り、立派な煉瓦造りの建物に出くわす。近寄ってみると少年刑務所だ。西の国道24号線に抜ける道を探して周囲を回るがそれらしい道はない。それにしても大きな刑務所だ、静まりかえった所内に多くの若者が生活しているのかと思うと複雑な気持ちになる。東に進み般若寺に出ると木津への県道が見つかった。
 京都に帰ってきたという実感を感じながら木津の町内を巡る。泉大橋で木津川自転車道を探す。自転車道入口の道標はあるのだが、上流に向かってあるものと思いこんでいたのであちこち探し回る。ロードレーサーの男性に出逢い自転車道を聞く、やはり最初の道標のところであった。自転車道の入口で記念撮影、最後の走りを楽しむこととする。
 この自転車道は木津から嵐山まで45Kmで木津川、桂川に沿って走っている。単純に堤防上を走るだけでなく、河川敷内や支流の堤防などを巡り変化に富んでいる。道標や休憩所もしっかり設置されており路面や周りの雑草の管理などもよくできている。利用者も子供達のサイクリングからロードレーサーのトレーニングまで多く利用されており、関西では有数のサイクリングロードである。映画の撮影で有名な八幡の流れ橋で休憩し、5ヶ月に及ぶ自転車旅の一日一日を思い出しながら走って行く。Img_2349 Img_2357

自転車道入口と出逢った望月さん
右は上津屋橋(流れ橋)

三川合流のあたりで後ろから声を掛けられ、振り返るとツーリングの外国の青年だ。ツーリングの人にあうのは北海道10月4日以来であるから感激である。
 Eelco Weijmans というオランダの青年はオランダを出て15ヶ月、世界一周をしている凄い青年だ。自転車道なので併走しながらお話をする。旅の話、仕事の話、彼の流暢な英語と私の片言の英語で何とかなるものだ。京都駅方面に行く彼を久世橋で見送り、私の前半の旅は終わった。旅の最終の日に素晴らしい出会いをした。彼のホームページはhttp://backtobali.net オランダ語なのでよく解らないが、写真も多くあり楽しめるホームページだ。Img_2359   

Eelcoはオランダの学生さん

 今日まで病気もせず、事故にも遭わず来られた事を感謝する。応援をしてくれた方々、ブログのコメントやメールがどれほど勇気づけられたことか。6,100Kmもの距離を故障もなく毎日を共にしてくれた私の初恋号6世に感謝する。
 前半のまとめと反省をし、自転車を整備し直して、来年の1月には再度出発する予定だ。
それまで旅行記は中断ということだが、来年の1月終わり頃また開いてみて欲しい。
 それでは皆さん良いお年を。

 距離65Km 累計6,098Km 費用0円

コメント (5)
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天空の城 12/19

2006-12-27 | 旅行記

 2006.12.19(火)曇り        
 7:45 起床   
 8:45 観月荘発~R370~R169~10:30宗泉寺着~12:05高取城址      ~12:30宗泉寺発~飛鳥資料館~山田寺跡~R169~
16:00 浜田部長宅着(奈良県天理市)
 
 今日は天理市までの行程なのでゆっくりと出発する。国道169号線を北上し、芦原峠を越えるが、このあたりの歩道部分はゴミ、雑草、事故跡の三拍子揃ったところで、今回の旅で最悪の道路である。ゴミは利用者の責任だが雑草や事故後の処理は道路管理者の責任ではないのか。Img_2269 Img_2270
国道169号線芦原峠下り




 汚い道路と通行量に辟易して壺阪寺の看板を右折して休憩、壺阪寺と高取城址の入口のようだがきつそうな坂が見えているので行かずに村の小道を下ってゆく。これが旧い街道で情緒もあり、国道とは大違いの道である。降りきったところに武家屋敷、高取城址の看板がある。時間も余裕あるので坂を登って行く。左右に高取藩の家老屋敷等立派な武家屋敷が続く、総て現住されているのが特徴だ。武家屋敷があるので城跡もすぐそこかと思いきや行けども行けども坂が続くばかりで、ついに自転車を押して歩く。やっとたどり着いたのが宗泉寺というお寺で、かつての領主植村家の菩提寺。道標を見てびっくり、高取城址まで3.2Km、ここまで来て帰るわけにはいかない、意を決して自転車を駐め徒歩で登り始める。杉林の中を一人寂しく登って行く、「七曲り」という坂を右に左に曲がって行く。この細い坂道は大手門通りと言い高取城のメイン通りである。「一升坂」はあまりの急な坂に石材等を運ぶ人夫が休んでしまうので、米一升を加給して登らせたといういわく付きの坂である。途中岩屋不動尊が右手にあり行者の修行場となっていたそうである。Img_2273 Img_2279 Img_2283





左:家老屋敷長屋門   中:大手門通り宗泉寺あたり  右:岩屋不動尊

 左から明日香村からの道が合流し、その分岐に猿石がある。明日香村にある猿石と同等のもので城の石材として運び込まれ、この地に安住した様である。猿石の台座の石は古墳の石棺の一部とも言われている。ここで初めて明日香村からの登山者に出逢う。二の門、矢場門、壺坂口門など城壁の門を越えるたびにお城らしくなってくる。国見櫓からは大和一円から六甲山、大阪ビル街、京都タワーまでもが望まれるそうである。今日は少しかすんでそこまでは見えないが、大和地方と周辺の山々はしっかり望むことができ、往時のお殿様気分も少しばかり味わえる。Img_2315 Img_2294

猿石と国見櫓からの三輪三山


 松の門、宇陀門、千早門、十三間多門など石垣の門跡を辿ってゆくといよいよ本丸、天守のある広大な場所に出る。丁度高取山の山頂にあり、天空の城である。各方面の展望が開け、南には吉野から大台ヶ原、大峰の雪を抱いた白い山並みが望め、東には高見山のこれまた雪の頂が望める。石垣はしっかり残っているが、石垣の間の杉が成長し石を崩し始めているところや、小さな崩壊を起こしている部分もあって痛々しい。このままで居たら遠い将来には自然の力の前に、城全体が元の山に戻ってしまうのだろう。裃の侍達が往来する姿も目に浮かぶが、緑の木々に埋まった城跡も想像してしまう。いずれにしても今日この地に来たことは本当に良かった。Img_2305_1 Img_2308

木に埋もれた天守跡、雪の大峰大台



Img_2310 Img_2281
天守から吉野口、右は一升坂



 同じ道を下っていくと多くの登山客に出逢う、人気のコースのようだ。
 巽高取雪かと見れば 雪でござらぬ 土佐の城
 土佐街道へ降りてくると、中世から現代にワープしてきたような気分である。現代の象徴のような国道169号線を走っていると「水平社博物館」の道標がある。矢印に従って左折し、峠を越え明日香村から高取町と何キロも進むが一向にそれらしいものが出てこない。5Km程で諦めて引き返す。納得いかないのでもう一度その道標を見ると御所市の表示有り、そりゃあ随分遠くだ。方向だけじゃ無く、キロ数も書いとけよなあ。
 国道から明日香村の遊歩道に入る。いろいろの石像物があり楽しい所だ。シーズンなら人が多くて走れないところだが、このシーズンは問題ない。周りの畑では白菜収穫の真最中、暖冬の勢でもの凄く巨大な白菜だ。やがて飛鳥資料館に出る。2度ばかり来たことがあるが、何度訪れても興味深い所だ。最も古い木造建築山田寺の復元された東面回廊が圧巻である。倒壊したままよくぞ残っていたものだ。その地が耕作地や住宅地として利用されなかったのだろうか、原野のまま残っていたのだろうか、とにかくその地を訪ねてみたくなった。山田寺跡は資料館のすぐ近くにあり、広大な跡地には金堂跡、その基壇や礎石などしっかり残っている。まだこの地下にも多くの遺物が残っているのだろう。Img_2325 Img_2326

人面石と山田寺東面回廊



 山田寺跡から天理市までの間も寺社や古墳など歴史的建造物が多くある。目的を決めてじっくり廻ってみたいところである。天理では私が初めて就職した大和農園の先輩に当たる浜田部長とその奥さんで同期の厚ちゃん(厚子さん)が待っていてくれた。

 距離42Km 累計6,033Km 費用6,050円

★観月荘 (奈良県大淀町)1泊4,500円 国道沿いの旅館

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海南健康ロード 12/18

2006-12-27 | 旅行記

 2006.12.18(月)曇り        
 7:45 起床   
 9:25 プリンスイン海南発~R370~R424~県道13号線~県道55号線~
      五條市~R24~R370~
15:30 観月荘着(奈良県大淀町)~大淀温泉
 
 夜の強風はすっかり止み、凛とした朝が来た。今日は紀ノ川に沿って奈良県に入る、通った事のないコースなのでなんとなく期待してしまう。海南を西に向かうと海南健康ロードという沖野乃までの6.1Kmの自転車歩行者専用道路がある。道の形状からかつての鉄道路線の様だが、あちこちにフィットネススクエアと称して腹筋台や平均台、吊り輪や鉄棒などの体力づくりやストレッチのできる木造の用具が揃っている。勿論トイレや休憩所もあり、各種フィットネスの仕方などの案内もしっかりしてある。ウィークディとあって通行は少ないが、ジョギングする主婦や散歩のお年寄りの姿が見え、国道1号線戸塚を散歩していたお年寄りとえらい違いやなと思う。全国各地の自転車道を巡り、当初はツーリングに利用すべきとして見ていたが、今は自治体が住民の健康をどう考えているかという視点で見るようになってきた。そう言う意味でこの健康ロードは良くできた道だ、こういう道を地元に持つ住民は幸せだと思う。Img_2259 Img_2263
 R424に入ると通行量の多い国道の脇に変な動物がいる、おかしいなと思いよく見ると狸である。おとなしくて近寄っても逃げない。写真を撮っている間に近所のおばさんが
カブですぐ横を通りすぎたのだが知らん顔している。いつでも居る狸なのだろうか。Img_2264
 紀ノ川沿いは国道24号線を避け、左岸の県道を走る。周りは桃の産地で剪定に忙しい時期のようだ。川の景色は特段のものでなくだらだらと東進する。宿泊できそうなところが無いので五條市で国道24号線に出てみるが状況は同じ、下市口の駅周辺で宿を探すが見つからず、国道沿いでやっと宿を見つける。時間があるので大淀町の老人福祉センターの温泉に行く。循環ではあるが吉野川の夕日が美しく満足の温泉であった。

 距離76Km 累計5,991Km 費用3,510円

★プリンスイン海南 1泊6,500円 海南駅前のビジネスホテル。

★大淀温泉(奈良県大淀町)500円(町内在住者は300円) 循環 強食塩泉  
 弱アルカリ 黄褐色 無臭

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