2006.12.14(木) 曇り~雨
6:45 起床
8:40 民宿大村屋出発~R311~熊野街道小広峠~R311~R42~
郵便橋~県道31号線~
14:30 KKR白浜美浜荘着~崎の湯
本日も雨の予想、もうとっくに12月の平年雨量を超えているとの報道、三日連続の雨だもんなあ。今日は雨でも出かける決意、出発時は降っていないが合羽姿で宿を出る。宿の若女将が笑顔で見送ってくれる。一人旅には気さくな女将が一番ありがたい、こんな日に布団乾すなよなあ。ものの30分ぐらいで雨が落ちてくる。今日も一日雨とおつきあいか。
熊野中辺路は山深い。四村川という川に沿って登って行くが、この川が大変美しい。旧道は川に忠実に沿って登っており、余裕があればこの道を走るべきだ。特にトンネル部分は必ず旧道がトンネルを迂回できて良い。R311は交通量はそう多くないがトンネルが暗いのだ。勿論歩道など無いから結構恐怖である。両国橋というところで対岸の岸壁に多くの地蔵さんがあるのを見つける。どうやって備え付けたのだろう、よく落ちないものだとしばし眺める。普通いろいろと能書きを書いた看板があるものだが、それらしきものはない。それが熊野のいいところだ。変に観光地化されていない。その後川沿いの岸壁には地蔵さんがあるのをいくつか見つける。熊野詣の信仰の証なのだろう。
左:白く小さいのが地蔵さま
右:熊野古道の入口は道標がしっかりしている。
小広トンネルで流石に暗いトンネルを通過するのが嫌になり、左に旧道を迂回する。行けるかどうか解らないのだけれど、決断は必要だ。実はこれが大正解で、トンネルを迂回できるだけでなく、熊野古道を自転車で走れる部分であったのだ。道は綺麗に整備されており、なんとか王子跡とか言う遺跡や無数の地蔵さんが古道をしのばせる。雨の走行で、止まって写真を撮ったり出来ないので残念だが、私の大好きな道である。
途中に名水野中の清水という名水百選のひとつがある。熊野古道はこの少し上を通っているそうだが、旅人達は皆ここへ降りてきて飲んだそうである。私もボトルに一杯頂く。
「いにしへのすめらみかども中辺路を 越えたまひたりのこる真清水」斉藤茂吉
R311ははるか下方に走っており、ときおり大型車のエンジン音が他人事のように聞こえる。一瞬雨が上がり、山々の端から霧が上がってくる。幻想的な景色だ。この峠を登った事がとても幸せであった。
左:自転車で走られる熊野古道 中:野中の清水 右:中辺路方面を望む
気持ちよく下ると、中辺路の町に着き道の駅でめはりで昼食、ここの道の駅は落ち着いていて好感、一句投句する。
ふるみちや いにしへおもふ 冬の雨 うとく
後はずっと下りになる、気楽に飛ばして行くと旧大塔村に着く。現在は田辺市、今日出発の本宮も田辺市である。田辺市は近畿で最も広い市となったそうである。大塔は村時代星だの蛍だのと宣伝していたのでどのようなところか見てみようと旧の役場の方面に向かう。温泉とか歴史民俗資料館などの案内看板があるのでそちらに行くが、一向に出てこない。諦めて旧役場に戻り、聞くと20Km程先とのこと、ちゃんと距離も書いとけよな。断念して白浜に向かう、ラビーム白浜ゴルフクラブの入口に出逢う。毎年のように来ているゴルフ場だ。自転車でこの道を通るとは思わなかった。このあたりから気温が下がり始め手足は感覚が無くなり、歯の根が合わなくなってきた。郵便橋でKKR(国家公務員共済宿舎)に予約し、エネルギーランド隣の宿に向かう。自転車や荷物を水洗いし、雨の中を崎の湯に向かう。崎の湯は白浜最古の超有名な露天風呂であり、かつては無料で入浴できたのだが、今は改装され300円の入浴料を支払うこととなっている。実は白浜の温泉やアミューズメントで行ってないところは無いぐらい通っているのだがこの崎の湯だけは工事中や定休日で入れていないのだ。白浜オタクの私としては大変不本意な事であったので、今回雨にもマケズ来たわけである。露天風呂だけなのでこの雨では誰も来ていないだろうと思ったのだが、好きな人はいるものだ。私の入っている間3人の人が入浴した。
傘をさしての入浴であるが、海に面したロケーションといい、くきっとした湯質といい、長年あこがれてきた温泉だけに感激もひとしおである。
雨で真っ暗の崎の湯
距離66Km 累計5,792Km 費用17,947円
★崎の湯 露天風呂 300円 ナトリウムー塩化物炭酸水素塩泉 源泉掛け流し 高温 のため加水 無色透明 かすかに硫黄臭有り 海に面しており風景最高