東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

モリー先生との火曜日

2021年12月02日 23時16分09秒 | 

 文化庁公演で関東へ行って参りました。というわけで、移動中はお決まりの読書タイム。今回はミッチ・アルボム氏の『モリー先生との火曜日』です。

 この本、ご存知の方も多いかと思いますが、もう大分前(本の第1刷発行年は2004年になっていました)にベストセラーとなったものです。私も存在は知っていたのですが、読まずに来ておりました。たまたまこの本に触れた新聞記事を読む機会があり、今回手に取った次第です。

 本の内容は、大学時代の恩師、モリー・シュワルツ教授と、彼の元に通う元教え子(広義の意味では今も生徒と言えましょうが)である著者との対話をまとめたものです。モリー先生はALSを患い、残された時間はもう多くないことを知っています。というより、確実に動かなくなっていく体から、身をもってそれを思い知るのです。そんな状況の中でも、全てを受け入れ、自暴自棄にならず、ユーモアをもって周囲と親交を深めるモリー先生の姿や言葉に、著者は生きる上で大切なことを学びます。その内容は、時を経た今でも決して古びることはなく、新鮮な水のように私たちの心にしみるものです。

 高齢化社会の中、要介護人口も増えている現代において、むしろこれから益々必要とされる本なのかもしれません。老いも若きも、より良く生きたい全ての人に読んでほしい一冊です。

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