自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホシノヒトミと昆虫たち(8)

2014-03-27 | 昆虫と花

ホシノヒトミの花は小さいため,大型の昆虫が訪れる機会は少ないのですが,ときには驚くようなこともあります。大きさでオオハナアブに劣らないほどのハエがやって来ました。ハナバエのなかまです。

この組み合わせも珍しいのですが,加えてからだ中が花粉まみれなのです。これにはドキッとしました。


おまけに,レンズを近づけても気づいていないようで,なんとも落ち着いて蜜源を舐めていました。 

 
おかげで,うんと接近して撮ることができました。からだを覆う,針のような剛毛には恐れ入ります。それが送受粉に大いなる貢献をしているわけです。

目を向けていると,いつ,どんな出会いがあるかわかりません。それがこころからのたのしみでもあります。

 


ハムシの恋と,そのかたち

2014-03-27 | 昆虫

ギシギシでよく見かけるハムシの,恋を巡る闘いにはすさまじいものがあります。 

偶然目にとまったのが,葉の奥で激しく争う姿でした。よく見ると,交尾中のペアに別のオスが乗っています。オスの背に乗っているのです。交尾中のオスの邪魔をしているのは明らか。


動きが激しくって,なかなか思うような画像が得られません。そのうちに,ポロッと下に落ちていきました。

今度は,別の葉で5匹が団子状態で争っている場面を目撃しました。もちろん,そのうちの2匹はペア。ということは,他の3匹はオスになります。あまりの激しい動きに,「こりゃ,なんじゃ!?」と仰天。 


団子状態のまま,葉の縁に移動していきました。 


そのうちに,やっぱりポロッと落下していきました。メスに対するオスの執拗な行動には驚かされます。「やっぱり」というか,「そこまで?」というか。ハムシの世界は,オス・メスの割合が歪なのかもしれません。 

ギシギシは,いのちが輝くおもしろい舞台です。

 


マンサクと昆虫(32)

2014-03-27 | マンサク

黄色の花を付けるマンサクを二種植えています。これまでにこのハエを見かけたのはもう一方のマンサクでした。したがって,今回はこの花とのつながりでご紹介しておきましょう。

このマンサクは,花が小型で比較的散らばって咲く種です。花の大きさはそんなに目立つこともなく,ちりちりっとささやかに咲いている感じです。それらが昨秋枯れたまま付いている葉の間にあるものですから,一層,小ぢんまりしています。

それで,訪花昆虫が来ているかどうか確認する際も,なかなかたいへんです。過日は,たまたま萼の上側にとまっているのが目に付いたのです。「このマンサクにも来ているんだな」と思い,しばらく行動を追うことにしました。 

 


やがて,歩いて花のなかに潜り込みました。そして,さっそく食餌行動に移りました。 

 


ひとしきりそこで栄養を摂り,満腹感を味わった後,ゆっくり出てきました。寒いなかでの緩慢な動きは観察にはもってこいです。 

 


こうして見ると,まことに立派な体形をしています。昆虫として当たり前の姿,頭部・胸部・腹部,六本の脚が光ります。ほんの5mmのからだに,精巧なしくみが整えられていることがふしぎなほどです。