自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサクと昆虫(25)

2014-03-17 | マンサク

後脛節の黄色部分がこんなに大きな昆虫は,間違いなくキアシブトコバチ。体長は5mmよりやや大きいといったところです。アカバナマンサクで見かけたのは今季初めて。

3月に入って,冷たい風が吹く昼下がりでした。気温は8.3℃。いつか再会して,しっかり被写体になってほしいなと願っていたのが,きっちり実を結びました。

日が射すものの,肌寒さを感じるほど寒いため,枝でじっとしていました。時折口の辺りを動かしていましたが,結局,夜見ても同じ場所にとどまったまま。


動かないというのはありがたいものです。適当に長くて,太い触角。脚の黄色, 後脚のカーブ,それらはまさにキアシブトコバチならではの特徴です。 


頭部や腹部に付いた花粉は,ここで付けたものでしょうか。 


複眼にも花粉が。 

 


撮影しているとき,わたしの指が枝に度々当たりました。その度に枝が揺れました。「しまったー!」と思ったのですが,コバチはそうした外界の動きにはまったく無頓着でした。ありがたい限り。おかげさまで,しっかり画像を残すことができました。

夜のコバチは触覚を緩やかに曲げて休めていました。とても印象的な光景でした。


そうそう,調べていてわかったのですが,このコバチはチョウやガの蛹に寄生するのだとか。どんなチョウ・ガに,どんなふうに寄生するのか,知りたいですね。
 


ホトケノザと昆虫たち(1)

2014-03-17 | ホトケノザ

冬季,昆虫の助けを得ることなく閉鎖花でつくられた種子が熟しました。それらが,あったところから飛び出してきて今にも落ちそうになっています。 


アリなども,それにかかわっているようです。もしかすると,アリが引っ張り出した種が座に散らばっているのかもしれません。種の先に付着した成分“エライオソーム” がアリは大好き。ホトケノザは,アリに種子を散布してもらうためこの成分を備えているのです。カタクリやスミレの種子と同じです。

アリは種子があった辺りを熱心に舐め回っています。そこにはアブラムシがたくさん。

 
アリは,アブラムシからもごちそうをいただきます。

 
ホトケノザは,興味深い話が展開する舞台でもあります。それをしばらく追ってみましょう。