黄色の花を付けるマンサクを二種植えています。これまでにこのハエを見かけたのはもう一方のマンサクでした。したがって,今回はこの花とのつながりでご紹介しておきましょう。
このマンサクは,花が小型で比較的散らばって咲く種です。花の大きさはそんなに目立つこともなく,ちりちりっとささやかに咲いている感じです。それらが昨秋枯れたまま付いている葉の間にあるものですから,一層,小ぢんまりしています。
それで,訪花昆虫が来ているかどうか確認する際も,なかなかたいへんです。過日は,たまたま萼の上側にとまっているのが目に付いたのです。「このマンサクにも来ているんだな」と思い,しばらく行動を追うことにしました。
やがて,歩いて花のなかに潜り込みました。そして,さっそく食餌行動に移りました。
ひとしきりそこで栄養を摂り,満腹感を味わった後,ゆっくり出てきました。寒いなかでの緩慢な動きは観察にはもってこいです。
こうして見ると,まことに立派な体形をしています。昆虫として当たり前の姿,頭部・胸部・腹部,六本の脚が光ります。ほんの5mmのからだに,精巧なしくみが整えられていることがふしぎなほどです。