自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホシノヒトミと昆虫たち(6)

2014-03-25 | 昆虫と花

3月19日(水)。晴れ。一日ポカポカ陽気に恵まれ,気持ちのよい日でした。

ホシノヒトミを訪れた昆虫を撮っていて,目にとまったのがキタヒメヒラタアブ。この花の訪花昆虫としてはありふれていますが,ホソヒラタアブほど警戒心が強くないので撮影者には助かります。

花にとまったところをファインダーで覗きながらピントを合わせているとき,レンズの視野に入ってきたのが花弁に産み付けられた卵です。ヒラタアブのそれです。ほんとうに偶然の出来事でした。 

 
拡大してみましょう。

 
アブラムシがいそうな場所に産卵するのはわかるのですが,それにしても花弁とは。ホシノヒトミの花弁は,いずれ落下する運命にあります。ここに産み付けたのは意図的なのか,あるいは萼のはずがちょっとずれてしまったのか,でしょう。

偶然,こんな発見ができてハッピーな気分に浸れました。 

 


ホトケノザと昆虫たち(6)

2014-03-25 | ホトケノザ

ホトケノザの葉を観察していて目にとまったのがツマグロオオヨコバイ。ヨコバイは文字通り“横這い”で,敵が近づくと横に這うように移動し,葉裏や枝の反対側に身を隠すことから付けられたことばです。

成虫で越冬するということですから,ずっとここにいたのかもしれません。あるいは,この葉を目がけて訪れたのかも,です。


このなかまは,植物の汁を吸ってくらしています。もっと小型のツマグロヨコバイは,イネに害を及ぼすために,農家の敵になっているほどです。

オオヨコバイは,図鑑によると,幼虫も成虫もチャ,クワ,キイチゴなどに寄生するらしいのです。ということは,生産活動に一定の害をもたらしていることになります。そんなつもりでなくても,結果としては迷惑行為につながっているというわけです。生きていくのはたいへん,たいへん。

 


植物の汁を吸うという口器を見てみました。ほんとうに突き刺すタイプの口です。それを毛の生えた器官が取り囲んで,きっちり守っているのがわかります。小さくても威風堂々としたスタイルです。

 

 


マンサクと昆虫(30)

2014-03-25 | マンサク

植木鉢のマンサクに新たな来訪者が。トゲハネバエか,タネバエあたりではないでしょうか。うっかり見逃すところでした。

花弁になにか昆虫が付いているなと思って見ると,小型のハエでした。六本の脚で,軽々とからだを支えてぶら下がる格好です。脚先の鉤が相当に効き目を発揮しているようです。

見ていると,歩いて蕊に近づいていきました。 


花粉を確かめてから舐めている様子でしたが,結構早く切り上げて花から出てきました。脚にはほんのすこし花粉らしいものが付着しています。

複眼の配置,腹部の膨らみから判断すると,どうやらメスに見えます。 


花の大きさとハエの大きさを比べると,ハエの小ささが浮き上がって見えてきます。小さな世界には,小さな昆虫がまだまだいるということです。わたしの目なんて,ほんとうにザルみたいなものです。

注意深く,じっくり自然と向き合うことが大事だなあと思うのです。