自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサクと昆虫(21)

2014-03-10 | マンサク

“念ずれば通ず”といわれるとおり,その場面に出会う日がやって来ました。

その場面とは,ハエがクモに捕食されているところです。いくぶんかわいそうなのですが,これが生物界の現実ですから,きっちり記録しておく必要があります。

2月末,夕方,しごとから帰って来て,マンサクを確認しました。すると,例のハエがクモの糸に絡めとられ,無惨な姿でぶら下がっていました。頭部が凹んでいたことから,既に体液は抜き取られているようでした。 


写真を撮っていると,近くにいたクモが死骸に近寄って来ました。このクモの被害に遭ったのでしょう。  


しばらく死骸にくっ付いた状態でいました(下写真の②)。そうしてそこを離れて,「ここだ」と決めた定位置に移動し,静止しました(下写真の①)。 


後日見かけた話をしましょう。

同じ種のクモが巣をつくって,獲物を待ち受けていました。そこに,飛んで来た昆虫が引っ掛かったらしく,肉団子状になった塊りを食しているのを目撃しました。


獲物になった昆虫の正体はまったくわかりません。翅も脚も確認できません。


小さなクモにぴったりサイズの合う小さな獲物がいるのです。小さな昆虫は小さな天敵に狙われます。それが自然の摂理です。クモがいる場所には,獲物にされる昆虫が飛来する,これは間違いのない生物的事実です。 

 


今年のセツブンソウ

2014-03-10 | 植物

セツブンソウのことについては,以前にくわしく書きました。接写撮影も入れて,子房・胚珠の様子にも触れました。それで以下は簡潔に書きとどめます。

知人所有地にセツブンソウの群落があります。谷あいの土地で,「よくもまあ,こんなところだけに生えていることよ。ふしぎな話!」と思う場所です。石灰質の土壌で育つのだそうですが,ここはどうなのでしょう。

節分に合わせて咲くといいます。しかし,ここでは確実に一カ月遅れで花が開く感じです。わたしが訪れたときは,もう盛りを過ぎて,花が枯れ始めていました。この日は粉雪が強い風に乗って,横から吹き付けるという寒い日でした。極寒期に葉を広げ,早咲きする性質を持っているのには,驚いてしまいます。


知人の話では,毎年種がたくさんできて,どんどん殖えているようです。それを聞いてわたしが気になるのは,いったいどんな昆虫が訪れたのかという点です。それについてはちょっと解き明かせそうにありません。情報を見ても,それを示唆するものに行き着くことができませんでした。

 


セツブンソウは季節をちゃんと察知しています。たぶん,昼の長さを体内時計で計っているのでしょう。この草の知恵です。