自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

タンポポと昆虫(1)

2014-03-16 | タンポポ

タンポポの季節を迎えました。送粉・受粉に関与しているかどうかを問わず,ここをステージとして生きている昆虫たちを見ていくことにします。

小さな小さなハエが,花の縁にとまっていました。ミバエかシマバエのなかまでしょうか。翅に紋様があります。複眼に独特の色合いが見られます。赤と緑の鮮やかな色彩で,光沢を放っています。 

 
別の花では,同種のハエが交尾中。


すこし時間が経ってから見ると,交尾中のペアが花に潜り込んで息を潜めているような格好をしていました。同じ花には,もう一個体がいました。 口からはときどき液を出しましたが,それはまた口内に入ってしまい,落ちることはありませんでした。これら三個体の間には,なにかストーリーでもあったのでしょうか。

 
どうなるのかと思って,ファインダーを覗いていると,右端の個体がプイッと飛び立ちました。下の写真は,その直前に写したもので,翅を広げて飛翔態勢に入ったところです。

 
この日のように,タンポポは恋の場も提供します。これから,いろんなドラマが見えてくるでしょう。 

 


マンサクと昆虫(24)

2014-03-16 | マンサク

3月2日(日)午後1時。気温9.9℃。マンサクの花に昆虫が来ていないか,確認していると,ちょうどそこに大型のハエがやって来ました。ほんとうに偶然のタイミングです。

色から判断すると,オオクロバエかもしれません。

 びっくりして,大急ぎでコンデジを取りに家に入りました。「どうか,そこにいますように」「飛び去らないで!」と願いながら出てくると,いました,いました。それで急ぎながら,落ち着いて,ドキドキして写したのが下の写真です。こういうときは,自動ピント合わせは当てになりません。不十分な画像になってしまいましたが,なんとか,状況証拠にはなるでしょう。

頭部と胸部に付いた花粉が印象的です。もっとも,マンサクの花粉とは限りませんが。


写していると,パッと飛び立ったので,「しまった!」と思いながら姿を追っていました。すると,すぐに近くの花に降りました。 わたしの気持ちをわかってくれているような行動です。ありがたい,ありがたい。


即座に写そうと思えば,コンデジを携帯しておくほかありません。今回はすぐに家の中に入って持ち出せたのでよかったものの,ふつう,そうはいきません。「ここぞ」という,絶好のチャンスを逃さないための心得を,改めて確認する出会いになりました。

 

          白い自由画

                            丸山 薫 

     私は子供達に自由画を描かせる
      子供達はてんでに絵の具を溶くが
      塗る色がなくて 途方に暮れる

      ただ まっ白い山の幾重なりと
      ただ まっ白い野の起伏と
      うっすらした墨色の陰翳の所々に
      突刺したような疎林の枝先だけだ

      私はその一枚の空を
      淡いコバルト色に彩ってやる
      そして 誤って まだ濡れている枝間に
      ぽとり! と黄色の一と雫を滲ませる

      私はすぐに後悔するが
      子供達は却ってよろこぶのだ 
      「ああ まんさくの花が咲いた」と
      子供達はよろこぶのだ