自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ウマノスズクサの花(また)

2013-07-16 | 花と実

7月13日(土)。№1の萼部分が落下。花の後には,子房が残りました。膨らみ加減ですが,このまま熟していくか,当分見てみましょう。

落ちた萼を切って中を覗いてみることにしました。虫が入っているかどうか,蕊の様子はどうか,これらの点を確かめるのです。

さっそく萼を縦方向に切ってみました。虫は無事に脱出しているでしょうか。虫の姿はありませんでした。無事に外にでたようです。受粉が行われた後,内部に密生している毛は萎びてしまうので,ふつうよりもっと出やすくなります。この花は食虫植物ではないので,楽々と脱出できたのでしょう。

ところで,よく見ると壺と筒の境辺りに,黒い粒が一つ付いています,

もっと拡大して撮ったのが下の写真です。 

死骸には見えません。もしかすると,入ってきた昆虫の置き土産なのかもしれません,たぶんそうでしょう。その正体は糞です。そうなら花は受粉を完了した可能性が大きいということになります。 

蕊の様子がよくわかります。

花柱のないオシベが6つ,合わさっています。その外側に黄色く見える塊りが,それぞれのオシベに2つずつ。この塊りが花粉袋“葯”で,黄色いもの花粉です。そうして,中央から飛び出した褐色の紐状のもの,これがメシベの柱頭です。

葯と柱頭が距離を保って位置しています。これは雌蕊先熟型をとりながら,なおかつ,近親結婚を避けるための知恵かと思われます。ここでも,「ほほう!」と感心させられるしくみが整っているのです。 

 


ツマグロヒョウモンの成長(3)

2013-07-16 | ツマグロヒョウモン

植木鉢のパンジーで育ったツマグロヒョウモンが羽化を迎えました。昼間,それも勤務が休みの日なので,観察には最適です。

午前11時6分。皮から透き通って見える模様から,メスであることがはっきりわかります。間もなく羽化です。

午前11時7分。頭部の殻が裂けました。いよいよ誕生です。 

午前11時9分。脚で殻を押し,からだを出す準備をします。触覚が長く伸びています。 

11時9分。出終わって,殻にぶら下がり,からだの向きを変えます。翅はまだ曲がったまま。  

11時10分。からだの向きを入れ替え,静止します。

このままの位置で,このままの姿勢で,無事に翅を広げ終わりました。いのちのドラマには,何を見てもこころを打つものがあります。これが出合いでもあります。 

 


ケラの幼虫

2013-07-16 | 昆虫

7月9日(火)。勤務施設の前庭でのこと。散水栓からほんの少し水が漏れ,付近の土に水がかかった状態になっていました。栓を閉めていると,そこにケラがいるのを発見。とても小さなケラでした。そんな小さなものを見るのは,わたしは初めて。 

先日に続いて,今季,これで二度目の出合いです。ときどき,そして毎年のように出合うということから,ある程度は棲息していると思われます。頼りないほどに少ないでしょうけど。

個体をよく見ると,翅が付いていません。これは幼虫です。幼虫であっても,立派な姿をしています。

土を掘り進む最大の“道具”前脚など,大したものです。成虫に劣らず,堂々と突き進むようにできています。 

拡大してみると,目は複眼構造になっていることがよくわかります。口器も触覚も,親譲り。幼虫は幼虫なりに,独り立ちしなくてはなりません。幼虫も成虫も環境にからだを適応させていき続けているのです。