7月13日(土)。№1の萼部分が落下。花の後には,子房が残りました。膨らみ加減ですが,このまま熟していくか,当分見てみましょう。
落ちた萼を切って中を覗いてみることにしました。虫が入っているかどうか,蕊の様子はどうか,これらの点を確かめるのです。
さっそく萼を縦方向に切ってみました。虫は無事に脱出しているでしょうか。虫の姿はありませんでした。無事に外にでたようです。受粉が行われた後,内部に密生している毛は萎びてしまうので,ふつうよりもっと出やすくなります。この花は食虫植物ではないので,楽々と脱出できたのでしょう。
ところで,よく見ると壺と筒の境辺りに,黒い粒が一つ付いています,
もっと拡大して撮ったのが下の写真です。
死骸には見えません。もしかすると,入ってきた昆虫の置き土産なのかもしれません,たぶんそうでしょう。その正体は糞です。そうなら花は受粉を完了した可能性が大きいということになります。
蕊の様子がよくわかります。
花柱のないオシベが6つ,合わさっています。その外側に黄色く見える塊りが,それぞれのオシベに2つずつ。この塊りが花粉袋“葯”で,黄色いもの花粉です。そうして,中央から飛び出した褐色の紐状のもの,これがメシベの柱頭です。
葯と柱頭が距離を保って位置しています。これは雌蕊先熟型をとりながら,なおかつ,近親結婚を避けるための知恵かと思われます。ここでも,「ほほう!」と感心させられるしくみが整っているのです。