自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その239)

2013-07-04 | ジャコウアゲハ

『ジャコウアゲハ観察記(その236) 』で取り上げた,葉の表側に産み付けられた卵の話をしましょう。

産卵日から7日目のこと。朝6時に,たまたま見てみると,なんと一つの葉で孵化した幼虫が殻を食べていたのです。そうして,もう一枚の葉の卵一つに黒っぽい穴が開きかけていました。「孵化だー!」。そう思った途端に,からだは撮影準備にかかっていました。

鉢を室内に持ち込み,カメラを三脚にセットして撮影開始です。なんとか間に合いました。こういう絶妙のタイミングというのはめったにあるものではありません。徹夜して,その瞬間を写すというのはもう幾度となく経験しましたが,今回は,チャンスが向こうからやって来た感じなのです。チャンスを逃したくありません。それで,じっとファインダーを覗きながら慎重に写しました。

穴を開けるには幼虫の身にすればかなり厚い殻のためか,からだが出るだけの大きさにするには少しばかり時間がかかりました。この一週間いのちを守るのに,それだけの厚みが必要だったということです。  

頭がはっきり見えかけました。

頭が出てきました。

からだが半分出ました。

ほぼ全身が現れました。

「おめでとう!」の瞬間です。無事に誕生したのです。何度見ても劇的でもありますし,生命のふしぎな,ふしぎな風景でもあります。

こういう風景に巡り合えると,やっぱり一日がたのしく過ごせます。充実した気分になります。ジャコウアゲハのいのちに深謝。 

 


クロアゲハの成長(9)

2013-07-04 | クロアゲハ

6月18日(火)午前10時。孵化後,21日と17時間が経過。しごとが休みで,たまたま在宅。

幼虫を見ると,葉の主脈でじっとしていました。食べるとき以外はじっとしているので,気にとめませんでした。ところが,ほんのしばらくしてまら再び見ると,脱皮直後でした。あれは,脱皮前の静かさだったのです。「そんなら,脱皮中に見たかった!」と思ったものの,一瞬のズレで好機を逃したことになります。生きもののことですから,止むを得ません。

 

そうはいうものの,直後も見応えのある風景です。皮を脱いだ幼虫はなんと神秘的な,薄青色をした体表でしょうか! 

尾端傍の葉面には,脱ぎ捨てられた皮がありました。薄い皮が,やや縮まった感じです。

 

幼虫はすこし頭を動かしてからだの乾きを待っている様子。ふつう,いずれ皮を食べる行動に移りますが,それまでじっと待っているほどの余裕はありませんでした。時間が経ってから確認すると,そのとおりになっていました。

午後4時。じっとしたままです。葉を食べた形跡はありません。からだの色は緑を基調とした

午後8時。葉がずいぶん食べられました。食欲旺盛です。