自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ネジバナと昆虫(続)

2013-07-20 | 昆虫と花

ネジバナは花が咲き終わったばかり。この実を一つ切り開いて,中を観察しました。

それにしても,種子の赤ちゃんの数には驚き入りました。数に限りがあるのはわかっていても,これはまさに“無数”です。一粒の大きさは,熟したら長さが0.3mm,太さは0.06mm程度らしいので,まるで微粒子です。一つの実に,これだけの種子をつくらなければならない理由は,もちろんあるでしょう。

それを思うと,ネジバナはふしぎな生活をしているのかもしれません。場所によっては,ネジバナの群落ができています。見応えのあるその風景は,これらの種子から出来上がったものなのです。  

 


ウマノスズクサの花(さらに)

2013-07-20 | 花と実

ウマノスズクサの子房の中をまだ写していなかったものですから,なんとか撮っておこうと思いました。それで,カッターナイフを使って子房を縦方向に切りました。ところが,とても細いものですから,失敗。別の花でも同じことを繰り返しましたが,スパッとはうまくいきませんでした。

そして,三度目。今度はナイフの刃を新しいものに替えたお蔭かなんとかうまくいきました。切った部分を除いた瞬間,驚きました。中に,小さなハエが一匹入っていたのです。ハエはしばらくいて,その後慌てて飛び去りました。

子房の中には行儀よく胚珠が並んでいるのがわかります。ラッパ状になった筒には毛が密生しています。毛の向きが内側に倒れています。外からやって来る虫が,この案内によってうまく導き入れられるわけです。 

撮影していると,間もなく一匹のアリがやって来ました。そうして,中に入って甘みの成分を舐め始めました。しばらくすると,また一匹,また一匹と増えました。おしまいに五匹にまでなりました。それらが甘みに関心を示し,夢中で舐めていました。 

子房を見ようとしたわけですから,今度はさらに倍率を上げて撮りました。みごとなまでの,胚珠の並び方です。いったい何個あるのでしょう。一列で20個以上あります。ということは,全体で数百個になるのかもしれません。

どの子房でもよいので,一つなんとか実にまで育ってほしいのですが……。