自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その247) ~終齢幼虫から前蛹へ(後)~

2013-07-22 | ジャコウアゲハ

尾端を固定し終わった幼虫は,次は,いよいよ帯糸を準備します。

からだを左右に動かして,支持柱にしっかりくっ付けます。からだが落下しないように強度を保たなくてはなりません。極細の糸を束ねて,からだの重みに耐えるようにしなくてはなりません。慎重に作業を進めていきます。 

午後8時43分。出たばかりの糸が見えます。

午後8時58分。糸を引っ張りながら強度を確かめ,糸の束を太くしていきます。 

午後9時30分。作業を終えて,しばらく休んでいます。大作業を終えたのです。

 

午後11時15分。まだ休んでいます。 帯糸を見ると,緩やかにカーブを描いています。このあと,幼虫はからだを湾曲させ,支持柱から離れます。そのときに備えて“遊び部分”が計算に入れられているのです。

午前0時43分。帯糸がピーンと張られました。ゆりかごのかたちです。このまま丸一日が過ぎ,そうしていよいよ蛹へと大変化を遂げるのです。 

 

カメラの位置を変えて写しました。胸脚も腹脚ももう役目を終えたことがわかります。じつに静かな,荘厳なほどの雰囲気です。このとき体内では,蛹化に向けた変化が着々と進んでいるのです。