7月7日(日)。
ジャコウアゲハが我が家の『アゲハ庭園』を訪れています。今もと言いますか,まだまだと言いますか,最盛期は過ぎましたがずっと飛来します。一化を終える成虫が,子孫を残すために必死に食草を探し求めているのです。飛翔する姿を見ると,アゲハの気持ちがなんとなくわかります。
ところで,産卵場所のあいまいさについては既に書いたことなのですが,繰り返し触れておきます。ウマノスズクサ以外に産卵することが度々あります。それは他の葉であったり,植木鉢であったり,竹であったり,木であったりします。
たいへんあいまいなところがおもしろい事実でもあります。その箇所を整理してみると,納得のいく理由が見つかりそうな気がします。
その1。ウマノスズクサから遠く離れた箇所でなく,ごく近いとことであること。竹や木は,植木鉢に挿した支柱です。植木鉢は食草を植えた容器。他の葉であっても,至近距離にあり,そこにたくさん産卵するわけではありません。つまり,食草を判別する前肢先が,最適場所辺りでかなり大まかに機能しているようなのです。
その2。竹は,枯れたもの,生のものの両方です。木は肌が焦げ茶色をしています。このことから,アゲハが目で色を確認しながら産卵場所を見つけ出しているわけではないと,予想できます。それにしても,こんなところに産み付けられた卵は,食草の場合と同じように順調に孵化に向かうのでしょうか。
案の定,竹に産み付けられた卵が孵化しないまま,死に絶えてしまった例を見ました。
食草以外にもまちがって産卵する例があることからみると,ウマノスズクサの成分であるアリストロキア酸を,紙にでも塗っていれば,そこに産卵するように思われます。紙の色やかたち,大きさについては,一考を要するでしょう。もっとも,そんなことは研究者が明らかにしているはず。
産卵行動やその結果を観察していると,いくらでも発見があります。観察に飽きることはありません。