『ジャコウアゲハ観察記(その237)』で取り上げた個体が,この程(7月6日)無事に羽化しました。わたしが見ている範囲では,この個体から生まれた成虫が一化の締めくくりになります。
二化目の幼虫の中には,すでにずいぶん成長している個体があります。今から卵として産み付けられる二化目の個体もあります。成長の進み具合に相当の開きが見えてきました。
以下,最終の羽化について書いておきましょう。
7月5日(金)。朝から蛹の色が大きく変わり始め,「羽化近し」の前兆と思われました。夜になって,はっきり中が透き通って見え始めました。午後9時に見たところ,翅の部分がまだ黒く,蛹の表皮と成虫の翅の間にある空気の層が少ない,腹の色彩が薄いと見て,すぐには羽化しないだろうと判断。
羽化場面はこれまで何度も観察してきましたので,この個体についてはそれほど見たいという気持ちがありませんでした。朝見られたらそれでいいぐらいの気持ちで,就寝。
7月6日(土)午前5時。見ると,羽化して蛹の上側で翅を休めていました。翅が真下に垂れ,伸び切っていたことから想像すると,深夜過ぎには羽化したようです。わたしが近づくと,翅を広げて警戒しました(下写真)。
アゲハが羽化した植木鉢を部屋から外に移しました。その途端,アゲハはパッと舞い上がりました。
メスでした。オスと巡り合って,また我が家に産卵に訪れることを願いながら,舞い上がった個体を見送りました。