らんかみち

童話から老話まで

菜食主義者だって動物の命を頂いているのです

2009年10月01日 | 酒、食
 8月の終わりごろに蒔いた蕎麦の種がそろそろ蕾をつけはじめ……たばかりじゃなく、開花してるやん! 絶対に変、ネットで見る蕎麦畑はもっと生長してから開花してるんです。たぶん肥料不足で生育が遅れているんじゃないかと、窒素・リン酸・カリ14号の施肥に踏み切りました。
 
 畝間にパラパラと粒状の肥料を蒔き、平鍬(ひらくわ)でそこを耕して雑草を刈り取りながら左右に土を分け、根寄せして倒伏防止とし……たつもりなのに、自分の足で蕎麦を踏みにじってどないすんねん! 畝間のウネウネとした有様も艶かしく、これによってぼくのゆるキャラ振りがワールドワイドで詳らかにされるわけですね、どうでもいいけど。
 
 畝立てはやってみると結構むつかしい、ていうのが土で蕎麦を倒してしまうんです。十分に成長してない、モヤシみたいな虚弱な茎が土の重みに耐えられず、これによってまた倒伏。何をやっていることやら分からない体たらくのまま、そうか、この作業には鍬(くわ)ではなく、牛に引かせる鋤(すき)と呼ばれる道具を使うべきなのではあるまいか? と気がついたのは作業も終わりを迎えたころでした。
 
 後でノンプロ百姓の方に聞いたところ、「何でも良いんだよ、大型の貝堀りとかでもね」とのこと。それにしても畑に一鍬入れるたびにミミズがたくさん現れて、お前らにとってみたら寝耳にミミズだよな、だからといって容赦してやるわけにはいかんのよ、成仏せぇよと、どれほどのミミズ殺戮に及んだことやら。それにカナブンだとかの幼虫も出てくる出てくる。みんな死んだかどうか、でも地中に住むこやつらの安眠を妨げたのは間違いありません。

 これを聞いたらどんなに徹底した菜食主義者といえども、生き物の命をいただいて生きていく宿命を人は背負っている、と認めないわけにはいかないでしょう。直接手を下していないからといって、切り離して考えることはできないはず。かく申すぼくも、百姓をやってみて初めて気がつきました。

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3 コメント

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ミミズは悪さしませんよ (草木庵)
2009-10-01 20:51:19
蕎麦は、痩せた土地でも栽培可能なのが特長のはずですから、基本的に肥料は要らないと思います。

それと、ミミズは土を耕してくれるので、殺戮するのは間違いでしょう。

ただ、もぐらがミミズを食べに来て困るのなら、話は別ですが・・・。

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Unknown (basil_o)
2009-10-01 22:29:12
こんばんは。

ワタシも、ミミズは無害、むしろミミズのいる土はよい土だと思うておりましたが・・・?

それはさておき、ここ最近は『植物だって命だ!』と思いながら食べております。菜食主義者=心優しい人、と考えるのは大きな間違いでしょう。牛は食ってもよくて鯨食うのは野蛮って考え方と五十歩百歩であると信じます。いずれにせよ「命」を頂いて生きているので、自分が死んだときには土葬にしてもらい、微生物に食われたい。土葬が無理なら土嚢袋の中で米ぬかなどまぶしてもらいつつ、生ゴミと一緒に堆肥になりたい。
(すみません、休日前夜でほろ酔いっすw)
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命は廻る (HAL)
2009-10-02 09:55:42
 草木庵さま
 おっしゃるとおり、蕎麦は肥えた土地だと背が高く育つにもかかわらず実がつかないのだそうです
 しかしあんまりやせた土地もダメなようで、本当なら最初に耕すときに肥料をまくべきなのは知っていたんですが、畑の持ち主と相談して施肥しませんでした
 その結果、何年も耕してなかった隣の畑は発芽率が低いようです。種をくれた人も「種をまいた数だけ肥料をまきなさい」とアドバイスをくれました
 
 ミミズを駆除したわけじゃないですよ~、あの体で畑を耕してくれると、ぼくも信じてますので
 にしても最初に耕したときには固く締まった土中にいなかったミミズ、あんなにたくさんいったいどこから? 一堀するたびに何かの生き物が出てきて、鍬で連中を死なせてしまったかも、という意味です。が、それはそれで鳥たちの餌になったようです。
 
 basil_oさま
 除草剤とか農薬とか使っていないので、グラスホッパーやらやら何やらいっぱい。そいつらに食われてしまったっていい、それもお接待かな、なんて考えてます
 いま「鯨をとるな」と叫んでいる、とある狩猟民族の方々はその昔、鯨から油を得るために捕鯨してたのだとか。昇華って言葉があるなら、食べてやれよって思うんですがねぇ
 土葬ですか、命を散々いただいてきた身なら、最後にお返しする手もありですよね、しかし米ぬかといっしょに堆肥ですか! それは考えたことなかったですぅ……。
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