らんかみち

童話から老話まで

バカバカしいほどのウィスキーブーム

2015年10月02日 | 酒、食
 十数年前に「ちゅらさん」という朝ドラの放送が終わるや否や、「ここは先月まで、もつ鍋屋だったんですが、今月から沖縄料理屋です」という飲み屋が雨後の竹の子のように現れた。当時は大阪市内に勤めていたから、会社帰りにラフテーを肴に泡盛を飲んでいた。毎晩沖縄料理ってわけにもいかなかったけど、あれは嬉しかったな。

 当時、泡盛が品薄になって増産を待つ有り様だったのに「沖縄の人は目の前の儲けに躍らされたりしないさ~」という蔵元の反応だった。
 ところがドラマが終わって2年も過ぎたら、沖縄料理の店はいつしかイタ飯屋みたいな店に衣替えしていていた。泡盛も製品は売り切れていたけどタンクには原酒があったとみえ、ブーム終焉後に商品はだぶついたらしい。増産なんかしなくて正解だった。

 ドラマ「まっさん」が終わって半年が過ぎ、国産ウィスキーは原酒の枯渇が現実味を帯びてきたらしい。とはいっても、泡盛と違ってスコットランドにも日本資本のウィスキー蒸留所があり、廉価ウィスキーは輸入しているんだから、蒸留ではなくブレンドと瓶詰めが追いつかないだけだろう。
 
 問題なのは、徳用ボトルの製品を販売してない、ちょっと高級志向のウィスキーだろう。ニッカも樽熟成をさせた「○○10年」みたいなウィスキーを終売にして、ノンエイジの割合を増やしたブランドに切り替えているらしい。
 そういう現状につけ込んで、まだ販売中のウィスキーにまでプレミアムをつけて売っている。どういうこっちゃ!

 ということで、このままウィスキーブームが過ぎ去ったら、若くて高価なウィスキーばかりが店頭に並び、ネットにはバカバカしい値を付けられたものが幅をきかせているだろう。
 そういう混乱した隙に泡盛ブームが再燃すれば、ウィスキー市場が縮小することになるかも。泡盛の古酒はうまいからね、手に入りやすくなるのは歓迎するけど。
 

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