らんかみち

童話から老話まで

スーツケース遺体事件に憂う

2013年08月19日 | 暮らしの落とし穴
 この暑さだからねぇ、店の冷凍庫に入って涼みたい気持ちは分かる。分かるけど実行しちゃいかん、というか、靴を脱いでこっそりやりなさい。あまつさえ写真を撮ってツイッターに投稿しちゃいかん。
 あの一連の行為は確かに幼稚でまずいだろう。実行犯に冷凍庫内の商品を買い取らせるのは当然としても、店じまいにまで追い込まれたって、それほどの大事件なんだろうか。

 自転車の女性に回し蹴りという事件も、動機が暑いからというのでは許されん。いや、もちろん寒くても許されん。何だっていうんだろ?
 驚いたのは屋台の爆発だ。ガソリン缶の蓋を開けるとき、空気抜きをうっかりすることはある。発電機を一旦停止させるのが原則といっても、照明が消えるから止めるってことはしてないんじゃないかな。夏の思い出作りのはずが、火傷を負ったり命を落とは無念なんてもんじゃない。

 暑さが吹き飛んだのは、愛媛の山中でスーツケースの中から遺体が発見された事件だ。報道では車も人もほとんど通らない、秘境への道であるかのような印象を受けるけど、そんな不気味な道路じゃない。ゴルフ場へ行くのも、タオル美術館へ行くのにも通るから、交通量は少なくない。山深いのは間違いないけど、アップダウンとワインディングの多い整備された道で、バイクで走るのは楽しい。

 報道を一部聞きかじっただけでは意味不明でもどかしい事件が多い。海外発のニュースは、報道する側が現地在住の日本人ブロガーの記事を引用したりする。特派員からよりは、きめ細かな情報が得られるってことだろうか。
 ネットを利用していると毎日大量の情報に晒されるけど、ステルス・マーケティングのような記事を読んで後悔することもある。なんだ広告じゃないか、と読んでしまってから気が付くことも多い。

 テレビもWEBも持たず、新聞と口コミだけで暮らす人がいる。しかし最近の新聞なんて広告だらけだし、広告かどうか疑わしい記事も少なくない気がする。生きていくだけなら情報は少ない方が楽なのかも知れない。そうは思っても、情報が無いと社会から取り残されそうで恐くてならない。

 しかし取り残されたからといって地獄に落ちるわけじゃないよね。だったら世捨て人も悪くないと思うけど、世間が許してくれない。損長は御用聞きなんだと解脱できれば涅槃の境地に近付けるはずなんだけど、まだまだだねぇ。