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■楓月まなみ展「ときめきをときはなして」 (2022年11月2~7日、札幌)

2022年11月06日 08時33分06秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 この4、5年、ものすごい勢いでグループ展に出品し、2019年の新道展で協会賞に輝いた(ことし、会員に推挙)札幌の楓月(ふうげつ)まなみさんですが、意外にも、喫茶店での小品展2度を除けば、独立した空間で個展を開いたのはこれが初めてなのだそうです。
(オマージュは、飲食スペースと展示スペースが完全にわかれています)

 2011年から前衛書に取り組み、いきなり毎日書道展や奎星会で入賞を果たした楓月さん。
 その後「色をつかいたくなって」、16年ごろから抽象画を描き始めました。
 17、18年に新道展で佳作賞。このころは、前衛書の延長線上で、画仙紙にしわをつけたりして、奥行き感を表現していました。
 近年になり、レジンという透明な樹脂を重ねて、新たな奥行き感の表現にチャレンジしています。
 
 
 奥と右手の壁面に、「ときめきをときはなして」と題し、直径130~300ミリの円32個を、規則性なく並べています。

 アクリル板にアクリル絵の具で抽象画を描き、乾燥させてから、表面にレジンをかけるのを3回ほど繰り返します。
 同時にホワイトパウダーをかけます。
 これにより、宇宙空間のような、あるいは生命の根源のような、独特のあざやかで深みのある色面ができあがります。
 
 
 楓月さんとしては、おおむね冬春夏秋の、四季のイメージで排列しているのだそう。

 とはいえ、全体を通して見ると、ご自身が好きという青系の円が目立つように思えます。

 一つ一つはそれほど大きな円ではないのですが、広がりを感じさせます。
 
 
 会場の左手の壁面には「たまゆら」と題した四角形の小品8点が横一列に並んでいます。


 
 床置きの作品もあります。
 つい先日、「nor-hay展」でも同様の作品がありましたが、あちらはあかりを仕込んであったりして別の作品だそうで(つまりこちらは新作)、楓月さんの制作ペースにはあらためて驚かされます。

 こちらは、直径3センチ、5センチ、9センチ、10センチの円が、合計およそ30個ほど、ちりばめられています。

 ついでにいえば「nor-hay展」は、ギャラリーたぴおのオーナーだった林教司さん(2017年歿)をしのんで18年から毎年開かれていますが、楓月さんは「たぴお」での展覧会に一度も出品したことがないとのこと。
 まあ、おおらかな「たぴお」らしいといえます。


 会場では、キーホルダーやブローチ、作品をイメージしたトレイ、ポストカードなどを販売しています。

 ちなみに毎日書道展と奎星会展への出品はいまも続けているとのことで、活動の幅広さには感服してしまいます。


2022年11月2日(水)~7日(月)午前11時~午後6時(初日正午~、最終日~5時)
ビストロカフェ+ギャラリー オマージュ(札幌市中央区南1西5 プレジデント松井ビル100)

過去の関連記事へのリンク
第64回新道展 (2019)
第3回 バックボックス展 (2019)
AXIS NORTH (2019)




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