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■第3回 バックボックス展 (2019年4月16~21日、札幌)

2019年04月21日 20時21分45秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(カメラの調子が悪く、スマートフォンで撮影しているので、写真がいつにも増して良くありません。ご容赦ください)

 6人とユニット1組によるグループ展。3年連続の開催です。

 冒頭画像、左奥に見えているのが、事務局をつとめる亀井由利さんの「生きる」。
 100号大のキャンバス2枚と、10号ぐらいの小品6枚を並べています。
 大きな支持体のほうは、亀井さんらしい鮮烈なモノクローム。サンドマチエールといった画材を駆使し、凹凸の模様が画面いっぱいに四散したような画面を作り出しています。
 小さいほうは、段ボールの波模様を利用したのかと一瞬思ってしまうような、縦線が画面の過半を覆っています。
 もちろん、どうやって見てもかまわないのですが、亀井さんは「心電図のイメージ」と話していました。

 手前には河口真哉さんのインスタレーション「みえないものたち」。
 自作のことばを印字した立方体がたくさん、三つあるごみ箱からはみ出て散らかっているという、いささか自虐的な情景を表現しているようです。

 どうでもいいことなのですが、こういう、ふた付きの円筒形のごみ箱って、テレビや漫画ではよく見るけど、道内の「ごみステーション」では見たことないですね。でも、ごみ箱という意味ではわかりやすい形状です(昔あった、上部が斜めになっていて、ふたを下から開けた木の台形あるいは五角形のごみ入れは、もう若い人にはわからないだろうな)。


 またまたやってくれました、永桶宏樹・永桶麻理佳夫妻のユニット「故郷II」。
 今回は大型インスタレーション「漂う労働者たち」です。
 
 大きな縦長の絵が3枚、床に置かれています。
 半導体が並ぶコンピューターの回路や花、菓子などが描かれています。それぞれに縁があって浅いトレー状になっており、水が入っていて、労働者の姿をモノトーンで描いた不定形の板が浮かんでいます。

 会場に設置された、(子供銀行の)紙幣を何枚も取り付けたうちわで仰ぐと、何と! 労働者の板が水の上をすべっていきます。
 これがホントの漂う労働者だ!
 なお、うちわの裏面には、国会議事堂が描かれています。

 鑑賞する人も参加できる作品です。

(撮影のため協力してくれたTさん、ありがとうございました)




 赤石操さん「a. walk」 。

 大小6枚のカンバスからなる作品。
 左下に「09」とあるのは、赤石さんが今年が2019年なのに誤って書いてしまったもので、実は新作です。

 矩形をはじめ台形や丸などが配され、大きなカーブが全体の構図の中で効いています。
 「もっとシンプルにしたいくらい」と赤石さん。

 このほか、新メンバー楓月まなみさんが
「ここから どこへ その先に MAI」
「ここから どこへ その先に RYU」
と題した、不織布に墨などを塗った大作を出品。

 田中郁子さんは、となりの会場の北海道抽象派作家協会展と同じ「No.54」という題の大作3枚を並べました。

 河口真由美さんは「Still life」「humoresque」「LOOP」「wayout」など、白を背景にさまざまな矩形が並ぶ抽象絵画です。

 バラエティーに富んだ作品が集まった展覧会でした。



 追記。
 この展覧会は10月、上川管内東川町に巡回します。


2019年4月16日(火)~21日(日)午前10時~午後5時(初日午後1時~、最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)



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