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北海道美術ネット別館

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2007年2月11日、モエレ沼公園とさとらんど(2)

2007年02月15日 23時31分15秒 | 展覧会の紹介-現代美術
承前.長いのでエントリを2つに分けました)

 ガラスのピラミッドの、上のフロアでは、エスエアが招いて札幌でアーティスト・イン・レジデンスをしていた男性2人のアーティストの個展がひらかれていた。
 オランダのバス・ノールデルメールさんと、ブルガリアのネノ・ベルチェフ・ベルチェフさん。

 バスさんの映像作品は、とてもシンプル。モノクロ写真の焼き付け作業を真上から撮影したものです。
 薄明かりの中、じわーっと画像が浮かび上がってくるあの時間は、筆者も(しばらく経験していないけれど)大好きなひととき。
 この作品のおもしろさは、画像が出てくる直前に、そのモティーフに関する音響がインサートされること。たとえば、せみしぐれの音が聞こえ、その数秒-数十秒後に、セミの姿が見えてくるのだ。
 モノクロ写真の実物は、会場ブースの外側の壁に洗濯ばさみ?でつりさげられていた(この感じもなつかしい)。

 もうひとりのネノさんの会場は、床に投影された自身の映像や、円形に敷かれたレールの上を走るおもちゃの列車とその映像などからなっている。
 映像は、海水パンツ1枚になった作者が、手足を伸ばして水底に沈んでいるもの。
 このほか、狭い通路みたいなコーナーがあり、ドローイングがびっしりと壁に貼ってあった。鑑賞者は、それを懐中電灯で照らしながら見るという趣向。そのいちばん奥には、先のものと似た映像が映し出されている。

 壁に貼られた解説文によると、彼の作品は、東方正教会の「沈黙」「静寂」と深い関連があるということだった。
 また、仏教の思想とも関連があるとのことだった。

 筆者は、タルコフスキー(ロシアの映画監督)の「アンドレイ・ルブリョフ」を思い出した。
 あの映画で主人公は、長い沈黙の修行を続けるのだ。
(1時間以上、主人公がひとこともしゃべらない映画というのはめずらしい)

 水底に潜るという行為は、神や自然と向き合うことなのだろうか。
 ううむ(と考え込む)。

 会場の出口に作家がいたので、ちょっと動揺。
「潜っているとき、何が聴こえるのか」
と尋ねた。

「何も聴こえず、何も考えない。数をかぞえているだけ」

 もうちょっとマシな質問があっただろうに…。
 いろいろ話せばよかった。orz

(追記。この展示は16日までです)

この項続く


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