(承前.長いのでエントリを2つに分けました)
ガラスのピラミッドの、上のフロアでは、エスエアが招いて札幌でアーティスト・イン・レジデンスをしていた男性2人のアーティストの個展がひらかれていた。
オランダのバス・ノールデルメールさんと、ブルガリアのネノ・ベルチェフ・ベルチェフさん。
バスさんの映像作品は、とてもシンプル。モノクロ写真の焼き付け作業を真上から撮影したものです。
薄明かりの中、じわーっと画像が浮かび上がってくるあの時間は、筆者も(しばらく経験していないけれど)大好きなひととき。
この作品のおもしろさは、画像が出てくる直前に、そのモティーフに関する音響がインサートされること。たとえば、せみしぐれの音が聞こえ、その数秒-数十秒後に、セミの姿が見えてくるのだ。
モノクロ写真の実物は、会場ブースの外側の壁に洗濯ばさみ?でつりさげられていた(この感じもなつかしい)。
もうひとりのネノさんの会場は、床に投影された自身の映像や、円形に敷かれたレールの上を走るおもちゃの列車とその映像などからなっている。
映像は、海水パンツ1枚になった作者が、手足を伸ばして水底に沈んでいるもの。
このほか、狭い通路みたいなコーナーがあり、ドローイングがびっしりと壁に貼ってあった。鑑賞者は、それを懐中電灯で照らしながら見るという趣向。そのいちばん奥には、先のものと似た映像が映し出されている。
壁に貼られた解説文によると、彼の作品は、東方正教会の「沈黙」「静寂」と深い関連があるということだった。
また、仏教の思想とも関連があるとのことだった。
筆者は、タルコフスキー(ロシアの映画監督)の「アンドレイ・ルブリョフ」を思い出した。
あの映画で主人公は、長い沈黙の修行を続けるのだ。
(1時間以上、主人公がひとこともしゃべらない映画というのはめずらしい)
水底に潜るという行為は、神や自然と向き合うことなのだろうか。
ううむ(と考え込む)。
会場の出口に作家がいたので、ちょっと動揺。
「潜っているとき、何が聴こえるのか」
と尋ねた。
「何も聴こえず、何も考えない。数をかぞえているだけ」
もうちょっとマシな質問があっただろうに…。
いろいろ話せばよかった。orz
(追記。この展示は16日までです)
この項続く
ガラスのピラミッドの、上のフロアでは、エスエアが招いて札幌でアーティスト・イン・レジデンスをしていた男性2人のアーティストの個展がひらかれていた。
オランダのバス・ノールデルメールさんと、ブルガリアのネノ・ベルチェフ・ベルチェフさん。
バスさんの映像作品は、とてもシンプル。モノクロ写真の焼き付け作業を真上から撮影したものです。
薄明かりの中、じわーっと画像が浮かび上がってくるあの時間は、筆者も(しばらく経験していないけれど)大好きなひととき。
この作品のおもしろさは、画像が出てくる直前に、そのモティーフに関する音響がインサートされること。たとえば、せみしぐれの音が聞こえ、その数秒-数十秒後に、セミの姿が見えてくるのだ。
モノクロ写真の実物は、会場ブースの外側の壁に洗濯ばさみ?でつりさげられていた(この感じもなつかしい)。
もうひとりのネノさんの会場は、床に投影された自身の映像や、円形に敷かれたレールの上を走るおもちゃの列車とその映像などからなっている。
映像は、海水パンツ1枚になった作者が、手足を伸ばして水底に沈んでいるもの。
このほか、狭い通路みたいなコーナーがあり、ドローイングがびっしりと壁に貼ってあった。鑑賞者は、それを懐中電灯で照らしながら見るという趣向。そのいちばん奥には、先のものと似た映像が映し出されている。
壁に貼られた解説文によると、彼の作品は、東方正教会の「沈黙」「静寂」と深い関連があるということだった。
また、仏教の思想とも関連があるとのことだった。
筆者は、タルコフスキー(ロシアの映画監督)の「アンドレイ・ルブリョフ」を思い出した。
あの映画で主人公は、長い沈黙の修行を続けるのだ。
(1時間以上、主人公がひとこともしゃべらない映画というのはめずらしい)
水底に潜るという行為は、神や自然と向き合うことなのだろうか。
ううむ(と考え込む)。
会場の出口に作家がいたので、ちょっと動揺。
「潜っているとき、何が聴こえるのか」
と尋ねた。
「何も聴こえず、何も考えない。数をかぞえているだけ」
もうちょっとマシな質問があっただろうに…。
いろいろ話せばよかった。orz
(追記。この展示は16日までです)
この項続く