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浅井憲一「虹」 苫小牧の野外彫刻(18)

2020年04月01日 18時43分32秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 3月29日に苫小牧駅から苫小牧市美術博物館まで歩いたとき、いくつかの野外彫刻を見たので、シリーズの続きを書きます。

 まず、札幌で主に鉄の彫刻を制作している浅井憲一さんの作品。
 浅井さんの作品を苫小牧で見かけるのは、これが三つ目です。
 このシリーズの(17)で、国道36号沿いにある作品の名を誤って「風のメロディー」と書きましたが、正しくは「風のエチュード」です。訂正しておきました。

 さて、苫小牧駅から国道へと続く駅前本通の歩道に、この像が立っています。

 苫小牧にある他の二つの彫刻が、ダイナミックな動きを表現しているのに対して、この作品は静的な印象を感じさせます。
 両手を半ズボンのポケットに突っ込み、長靴を履いて、立っている子どものようです。
 子どもは顔を上に向けています。
 タイトルのように、空の虹を見上げているのでしょうか。

 左右の足を交叉させていることが、この作品に、動感を与えています。
 逆に言うと、この足の処理がないと、突っ立っているだけで、おもしろみの乏しい作品になっていたかもしれません。
 両足を前後にずらした立像はときどき見かけますが、左右にずらすというのはなかなかユニークで、子どもが生き生きとした感じをたたえる要因になっていると思います。


 苫小牧市が開設している野外彫刻のサイト( http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kyoiku/shogaigakushu/shogaigakushu/sonota/niji.html )によると、住所は表町3丁目。
 2001年設置、ブロンズ製です。

 また、当時(2001年12月17日)の北海道新聞苫小牧・日高面によると、この彫刻は、苫小牧駅前通商店街振興組合がシンボルストリートの整備開始10周年を記念したモニュメントとのことです。高さ約90センチ。
 この記事で、振興組合の理事長は
「今は空き店舗が目立つが、十年後、素晴らしくなったといわれる商店街づくりを目指したい」
と話していますが、現況を見ると、なかなか切ないものがあります。


□浅井憲一 AZプロジェクト http://www5f.biglobe.ne.jp/~az_asai/

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