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札幌ESTAよさらば、および地下入り口のモザイク画 2023年8月13日(3)

2023年08月26日 16時24分58秒 | つれづれ日録
(承前)
 
 札幌市中央区北5西2にある札幌ESTA(エスタ)が今月限りで、北海道新幹線札幌延伸工事に伴い閉館します。
 地下の入り口や、地下食品売り場の10階直通エレベーターの前には、ポストイットに、閉館を惜しむ人々の言葉や絵が書かれて、たくさん貼られています。

 閉鎖を残念に思う人が少なからずいるのは、この施設の歩みとは無関係ではないかもしれません。

 つまり、1978年から現在まで、ちょうど前半は「そごうデパート」とほとんどイコールといってもよい存在でした。
 地下入り口にあるお別れボードによると、当初は画廊なんかもあったみたいですね(全然記憶にない…)。
 


(※写真2枚を追加しました)


 ところが2000年にそごうが撤退し、一時は、1階のバスターミナルを除けば、地下食品売り場と10階のレストラン街だけが営業するという事態になりました。
 つまり2~9階が空っぽという、駅前ビルとしてはあるまじき状態だったのです。

 そこから巻き返し、ビックカメラの北海道初上陸を迎え入れたのをはじめ、ユニクロの道内最大規模店舗や、札幌西武閉館に伴う「LOFT」などが入って、全フロアが埋まることになったわけです。
 前半と後半でまったく性格の異なる商業施設だったわけです。
 
 
 屋上の「そらのガーデン」はかなり新しい2011年のオープン。
 デパートの屋上といえば、かつては遊園地などが設置されて多くの家族連れでにぎわったものですが、いま屋上を開放しているデパートは札幌市内にほとんどありません。
 貴重な存在です。

 國松明日香さんの彫刻のゆくえが気になります。
 
 屋上のひとつ下、10階にある札幌ら~めん共和国も、2004年と比較的新しい施設です。
 いまは、いつ行っても各店に行列ができており、観光客も多い(でかいバッグをひきずっているのですぐにわかる)ですが、当初は気軽にラーメンが食べられるところでした。
 どこに入っても「外れ」がないのは大きいです。

 個人的には「王国」じゃなくて「共和国」というところが好み。札幌だけじゃなくて、旭川や函館の名店もピックアップする姿勢が、旅の玄関口札幌駅に隣接する施設にふさわしいと思います。
 
 
 この日(8月13日)は、最後のつもりで某店に入ったのですが…。
 テーブルの前の貼り紙を見ると
「モユクサッポロに移転オープン」
と書いてあり、ちょっとフクザツな気分になりました。
 
 
 ビックカメラの1階店舗面積を著しく狭くしている、バスターミナル。
 こちらは9月いっぱいで閉鎖となり、現在の停留所は、新しいターミナルが完成するまで、赤れんがテラス附近などに広く分散することになります。
 




 まあ、いまのターミナルは、都市間高速バスの隆盛前に設計されたもので、通路が非常に狭い(行列ができた時点で、人と人がすれ違える幅がない)ことを思うと、やむを得ません。
 
 ところで、冒頭画像は、ビックカメラに上がっていく階段の壁の上方に、ESTA のオープン当初からかかっているモザイク画です(画像にアオリ補正を加えています)。
 戦前の3代目札幌駅舎です。
 サインは
「SEKINAIMO」
となっていますが、誰なのかはわかりません。

 この絵が掛けられた当時、1938年(昭和13年)なんて、戦争前のことで、ずいぶん昔だな~と思っていたのですが、1938年から79年までが41年間ですから、絵が掛かってから現在までの時間の方が長いんですね。

 考えてみれば、ESTAオープン時にすぐ隣にあった4代目の駅舎もすでになく、高架になった鉄路と5代目駅舎が大改造中なのです。

 しみじみと、時の移ろいを感じます。


 過去の関連記事へのリンク
札幌 ESTA 2023年に営業終了 (2021)

(この項続く) 


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