札幌市南区の朝日さんが昨年に続いて開いている個展は、昨年300点以上出品していたF8号の抽象絵画を、今回も100点余り出していて、創作意欲の旺盛なところをみせています。※カンバスの大きさが6号とあったのを修正しました
こちらは1998年から2000年代の、墨による作品。
東京で発表した際、墨象・前衛書の書家からグループ入りを誘われたというのも、うなずける作品です。
墨や和紙を使って . . . 本文を読む
北海道教育大の大学院修了後も充実した活動を続けている札幌の中村まり子さん。
2023~24年には mima 道立三岸好太郎美術館の若手展「#みまのめ」にも出品しました。
カフェ北都館ギャラリーでは昨年、3月に個展、夏には4人展を開いています。
今回、絵がかなり変わったと思います。
大地や風景と一体化して「もこもこ、ぷにぷに」した赤ちゃんたちをやわらかな色調で描いているのは同じでしょ? . . . 本文を読む
わずか8日間の会期。
しかも公式サイトにはいまのところまったく言及がない(Instagram と Facebook Page には同時投稿あり)ので、ここに記録を残しておきます。
同館が着実にコレクションを充実させていることがわかる展覧会でした。
冒頭画像は三岸好太郎「北海道風景」。
三岸の初期作品でよく見られる、あのもっさりとしたビリジアンが全面に配されています。
( . . . 本文を読む
北海道水彩画会(道彩展)の会員として事務所(事務局)を務める一方、北都館ギャラリーで個展を開き、今年で7回目となったそうです。
いわゆる英国調の水彩よりも色調が濃くて強い表現ですが、従来多かったフォービスムふうの激しいタッチとも異なる表現で、札幌市内・近郊の風景や、静物などを描いています。
冒頭画像は「綿毛舞う頃」。
北大構内の、大野池やサクシュコトニ川があるあたりの風景です。
ポプ . . . 本文を読む
(承前。(3)はこちら)
正式な展覧会タイトルは上記の通りですが、事実上の村山陽一展です。
戦後、旭川を拠点に開かれた北海道アンデパンダン展などで活躍し、早逝した村山(1926~61)の絵画15点と、旭川生まれで戦後日本の抽象画を代表する画家として知られる難波田龍起なん ば た たつおき(1905~97)の「群像B」が展示されています。
ところで、村山陽一の画業を振り返る際にたびたび言 . . . 本文を読む
※追記。「あいうえお」の、は行以降を2月1日、会場に搬入し、全行がそろったそうです。また2月9日(日)午後2時半から4時まで、特別に開館します。この会場が平日以外に開くのは珍しいので、仕事の関係でなかなか行けない人はぜひ足を運んでみてください。
あいかわらずすごいペースで作品の発表を続けている日本画家の駒澤千波さん(石狩)。
道展、北の日本画展といった大型の展覧会はもちろん、小さな手作り作 . . . 本文を読む
前期には行きそびれましたが、後期は間に合いました。
さまざまな絵画の小品が並んでいます。
右は本田滋さん「明日の夢渡る街」。
中央区大通東1の北海道電力本社の南側の風景です。
ストロークは落ち着いていますが、色使いは本田さんらしく独特です。
中央は、チャオで初個展以後、台湾など海外でも活躍する高橋弘子さん「三毛猫小判」。
ことわざに基づくユーモラスな題材をまじめな筆致で描い . . . 本文を読む
(承前)
今村三峯(三峰とも)は明治期の小樽で活動した絵師の展示。
「美人画」の掛け軸が2点、扇絵が3点、鳥瞰図的な小樽港の絵3点(うち1点は複製)で全部なので、ミニ個展という感じのささやかな展示です。
会場の説明文によると、今村三峯さんぽうは天保元年(1830年)3月、伊達郡市柳村(現在の福島県伊達市保原町)で、庄屋の次男に生まれたとあります。
しかし、1830年3月は文政 . . . 本文を読む
(承前)
前項は、ロートレック展のあらましについて書きました。
しかしながら個人的にはこの画家について根本的な疑問がついて離れません。
つまり、どうしてロートレックが偉い画家とされているのか、彼の良さとは何なのか、ということが正直よくわからないのです。
それと関連しますが、西洋美術史のなかにどのように位置づけられるのかも、今一つピンときません。
彼は「ポスター芸術の第一人者」 . . . 本文を読む
日本では、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、略して「ロートレック」と称されることが通例ですが、ほんとうの名はアンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファというそうです。貴族の家系なので、仰々しい名がついているのでしょう。
1864年生まれで1901年歿。
今回は
「本展ではロートレックのグラフィック作品の個人コレクションでは世界最大級のフィロス・コレクションから . . . 本文を読む
ギャラリー北のモンパルナスがコロナ禍のため2020年春から休業して以来、4年8カ月ぶりに再開しています。
3人のうち、松本五郎さん(十勝管内音更町、20年歿)と菱谷良一さん(旭川)は、1941年(昭和16年)の生活図画ずが事件により治安維持法容疑でとらえられて無実の罪で投獄された、当時の旭川師範学校(現北海道教育大旭川校)の学生です。2019年に2人展「無二の親友展」が同ギャラリーで開かれてお . . . 本文を読む
上嶋秀俊さんは小樽在住。板に着彩した大小のパーツを配置してインスタレーション作品を構成し、近年さかんに発表を続けています。
今回はギャラリーエッセによる企画展です。ほとんどが新作で、一部2023年の作品もあります。
冒頭画像の手前は「composite」。3枚組です。
こちらの3点組は個展タイトルにもなっている「real, real, real」。
方法論はほとんど変わっていな . . . 本文を読む
JR千歳線の沿線にある千歳、恵庭、北広島の3市の美術協会の63人が1点ずつ出品し、見ごたえのある絵画展になっています。千歳市民文化センター自主文化事業。
内訳は北広島15人、千歳17人、恵庭31人。それぞれの美術協会の会員数がこれだけとは思えず、有志が参加してこの人数になったのか、または過去の経緯などを勘案して割り当てたのか、そのあたりの事情は尋ねるのをわすれました。市の人口だけでみると、千 . . . 本文を読む
道銀文化財団らいらっく・ぎゃらりいのサイトには書かれていないのですが、日高管内浦河町の画家田中郁子さんの個展です。
新道展会員であり、臨床美術の現場でも活躍しています。
いわゆるタブローではなく、田中郁子さんが日々1枚ずつ、正方形の紙にオイルパステルなどで描いている「日記絵」です。
その日の出来事にまつわる物を具体的に描いている絵もありますが、それはあまり多くなく、色をさまざまに配した . . . 本文を読む
春陽会主催の春陽展は、今年で第101回を迎え、非官展系の全国的な団体公募展では屈指の長い歴史を誇ります。発足メンバーに岸田劉生がいたというから、その古さが分かります。毎年春に、かつては上野の都美術館で、近年は六本木の国立新美術館で展覧会を開いています。
北海道研究会も息の長い活動を続けています。しかし、戦後の道内画壇に名を残す八木伸子や谷口一芳といった会員が在籍していた2003年の北海道作家展 . . . 本文を読む