札幌国際芸術祭のプログラムの一つとして開かれた「「[mima 北海道立三岸好太郎美術館 開館50周年記念 特別展] 大友良英アーカイブ お月さままで飛んでいく音 + 三岸好太郎ワークス 飛ビ出ス事ハ自由ダ」の続きです。
3.旅する音楽家
冒頭の画像は、大友良英さんのギターケースおよびトランクと、いちばん幼い頃に家族のだんらんのひとときを撮った写真をひきのばしたものです。
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札幌国際芸術祭について、まだ書き足りないことが山ほど残っているので、折を見て記事をアップしていきます。
正式名称は
「[mima 北海道立三岸好太郎美術館 開館50周年記念 特別展] 大友良英アーカイブ お月さままで飛んでいく音 + 三岸好太郎ワークス 飛ビ出ス事ハ自由ダ」。
札幌国際芸術祭のなかでは珍しく、会期の後半から始まった展覧会です。
1.概要
2.権威主義的?
3.旅する音楽 . . . 本文を読む
(承前)
札幌芸術の森・工芸館の向かいにある「有島武郎旧邸」では、鈴木昭男さんのアーカイブ展示が行われていました。
前回の芸術祭では立体作品が展示されてれっきとした会場のひとつという感じだった有島旧邸ですが、今回は芸術祭に割いているスペースは一部分で、1階などはいつもとおなじように、有島武郎関係の資料が並んでいます。
2階の部屋に、これまでの、インタビューなどを載せた書籍や雑誌、展覧会 . . . 本文を読む
(承前)
奥まった山林から下ってきて、野外美術館の真ん中あたりにある「ヴィーゲラン広場」へ。
ノルウェーの国民的彫刻家、グスタフ・ヴィーゲランの5点が集まっています。
ヴィーゲランの作品がノルウェー国外にある例はごく少なく、札幌に5点もあるのは貴重なんだそうです。
この5点のうち有名なのは、母親が両腕を伸ばして小さな子どもをかかえる「母と子」ですが、鈴木昭男さんが、耳を澄ます「点音 . . . 本文を読む
札幌国際芸術祭が終わりましたが、ブログではそのごく一部しか紹介できていません。
今後、どれぐらいできるかどうかわかりませんが、正面からの感想・総評も準備しつつ、さまざまなテーマで記事を書いていければと思っています。
鈴木昭男さんの「点音おとだて」は、札幌芸術の森エリアで展開された「NEW LIFE:リプレイのない展覧会」のひとつ。
札幌芸術の森美術館の中庭にいくつか設置されていたのは、 . . . 本文を読む
8月6日から繰り広げられてきた「札幌国際芸術祭2017」も10月1日が最終日。
筆者はとくに運営やボランティアなどにかかわっていたわけでもなく、唯一参加するはずだったフォーラムもある事情で欠席させてもらっており、まあ他の人よりは熱心に回ってみたという程度の人間だが、終幕が近づくにつれてどうも感傷的になってきました。
これって、たぶん、中高生のとき学校祭や修学旅行が終わってほしくなかったと . . . 本文を読む
※おわび 立花さんのお名前が間違っておりました。10月6日直しました。おわびして訂正します。申し訳ございません。
29日(金)は仕事。
夜、シンビオーシスで映像展を見て、SIAFオフィシャルバーになっている「OYOYO」で、大友良英+テニスコーツ+立花泰彦ライブ。
せがれと夕食(スパゲティ)を食べた後、午後8時20分ごろ、会場に着いたらすでに行列ができていました。
会場に入ると、い . . . 本文を読む
いやはや、びっくりしました。
先に、札幌芸術の森美術館に展示されているクリスチャン・マークレーの「Record Without a Cover」について、この作品は大友良英さんにとって原点だ、と書きましたが、札幌市資料館にも大きな「原点」があるのです。
資料館では、クマの木彫りや三松正夫さんの絵が注目されていますが、実はこっちのほうが芸術祭自体の分脈でみると意義深いのではないかと思えるほど . . . 本文を読む
札幌国際芸術祭のうち、芸術の森エリアで展開している「NEW LIFE:リプレイのない展覧会」の概要を先日書きましたが、そのなかで、札幌芸術の森美術館にあったクリスチャン・マークレーさんの「Record Without a Cover」についてはなんらかの説明があったほうが親切かもしれないと考え、ここに紹介します。
それほどの長大テキストではありませんが、いちおう4章にわけました。
1) どん . . . 本文を読む
(冒頭画像は、8月5日のプレスツアーで撮影しました9
「芸術の森エリア」は「モエレ沼エリア」に比べると、写真映えするような派手さはありません。しかし、ゲストディレクター大友良英さんの
「ほかにはない芸術祭」
という思想をよく体現していると思います。
自分の見方が唯一だというつもりは毛頭ありませんが、筆者としては
「こんな展覧会のあり方もアリか!」
と、目からウロコでした。
その話は後回し . . . 本文を読む
(追記あり)
札幌圏に住む美術関係者で、札幌国際芸術祭(SIAF2017)にまだ行ってない人がいるなら、まだ間に合うから、ぜひ行ってほしいと思います。
芸術祭には、いわゆる「美しい作品」はあまりありません。しかし「人の見方をどこかで変えて、アップデートしてくれる」芸術祭です。地元に住んでいて、そういう機会を逃すのはもったいない。
しかし、今回の札幌国際芸術祭は、会場が多く、分散しているの . . . 本文を読む
「OPEN GATE」については昨年、あいちトリエンナーレの記録写真を見たときからずっと気になっていた。
筆者も足を運んだ(ただし、OPEN GATEの始まる前)岡崎市の古い商業ビルの屋上。白い布がはためく夕暮れに、ミュージシャンが小さな楽器を奏でたり、歩いたりしている。
写真だから音は聞こえてこないのだけれど、何かしらふしぎな、既成の演奏会とは異なる音が発せられ、事態が起きているような気が . . . 本文を読む
私事から書き始めることを許されたい。
生まれて初めて触れた「楽器」は何だっただろうと振り返る。
タンバリンかもしれないし、おもちゃのピアノかもしれない。ただ、記憶に強くのこっているのは、台所にあった小さな5弦か6弦のハープだった。
弦の長さはみな同じだし、音も貧弱だ。そもそも、どうして楽器が台所にあるのか、不思議だった。
それが楽器ではなく、ゆで卵を切る器械だと知ったのは、後年のことだ . . . 本文を読む
ツイッターで「【大風呂敷プロジェクト】大丸札幌店での大風呂敷の展示終了日の変更について 」という情報が流れてくるまで、デパートの中に大風呂敷が展示されていることを知りませんでした。
無料で配っている、例の赤い表紙の案内冊子を見ると、たしかに「大丸札幌店グリーンパティオ」が展示会場にリストアップされています。5日で終了とあって、慌てて行ってきました。
百貨店内は本来写真撮影が禁止ですが、店 . . . 本文を読む
(承前)
前項で、8月11日夜に、札幌国際芸術祭2017の期間中は「SIAF オフィシャルバー」となっているOYOYO まち×アートセンターを会場に開かれた「北海道美術史[1977-2017 年] フォーラム 北海道・札幌の美術40年、公開型オーラルヒストリーの試み」の第1部で、1977年にオープンしたばかりの道立近代美術館が道展(北海道美術協会)と貸し館をめぐって対立した件について、基調講演 . . . 本文を読む