※文中、第2段落に訂正があります。
道展と全道展、道美展には工芸部門がありますが、工芸部門だけの団体公募展は、この北海道美術工芸協会が主催する「美工展」だけです。
会場に、物故作家の大作2点がありました。
右は高木晶子さん(札幌)の皮革「再生の予感 II」。
高木さんは創立会員で、1985~90年と97~2007年の2度にわたって事務局長を務め、文字どおり美工展を引っ張ってきたひとりで . . . 本文を読む
ペンギンにこだわり、アデリーペンギンを題材にした器や置物しか作らないというこだわりをみせる、札幌で最若手の陶芸家、工藤ちえ奈さんの個展。
これまで、会期の終わりごろにしか行ったことがなく、スカスカになった会場ばかり見てきたので、初日に行ってきました。
冒頭画像は「ペグザイル」シリーズ。
もちろん、あの有名ダンス&ボーカルチームを意識したペンギンさんたちです。
今回は、基本、セット販売 . . . 本文を読む
スミマセン、画像だけ先にアップします。
内海さんは砂川の陶芸家。
といっても、いろんな材質を使います。今回は大きな人形が並んでいるのが一番の特徴です。
2017年3月14日(火)~19日(日)午前10時30分~午後6時30分(最終日~午後5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)※H&Mのあるビル
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■政和アートFe . . . 本文を読む
1月31日の夜。
仕事をようやく終えた後、ル・トロワ(旧 MALSA)の裏通りへと急いで向かいました。小さなビルの4階にある北欧雑貨のお店「piccolina (ピッコリーナ) 」で、岩本奈々さんがテキスタイルの個展を開いており、この日が最終日だということを、ある人の Facebook で知ったのです。
岩本さんは、道教大を卒業した後、シルクスクリーンを学ぶために道都大中島ゼミの門をたた . . . 本文を読む
道教大在学中から盛んに制作・発表を続けてきた若手金工作家の個展。
札幌の共同スタジオを拠点に制作を続けながら、故郷・上川管内幌加内町政和地区で毎夏「政和Fes」というアートフェスティバルの開催に尽力している。
吉成さんのインスタレーションは、リズミカルで、かわいらしい。
力強さもあるし、なにより見ていて心がなごむ。
だけれど正直なところ、心のどこかで、ロダンやブランクーシといった近 . . . 本文を読む
前田育子さんは胆振管内白老町の陶芸家。オブジェに取り組んでおり、今回は3階の「レタラ」でそういう作品を、1階のショップ、Sabitaでうつわ類を、それぞれ展示するという2段がまえになっていた。
オブジェのほうは、表面が、光沢のあまりない黒い色をしている。
もみがらなどで焼き、乾いてから石で研磨し、独特の風合いを出すのだという。
「表面の(こまかい)線が好きなんです」
レタラには、西側に . . . 本文を読む
かつて三越札幌店に毎年巡回していた伝統工芸新作展。
残念ながら終わってしまいましたが、道内の日本工芸会の会員や同展の出品者など関係者の尽力で開かれている展覧会です。
道内では見る機会の少ない伝統工芸に触れる貴重な機会です。
とりわけ感服したのは、伝統的な意匠や技法を保持しつつも新たなことに挑戦する―これだけでも難しいのに、北海道らしさを盛り込もうとしている作品があったことです。
七宝の . . . 本文を読む
(記事タイトルが間違っていたので直しました。関係者、読者の皆様に深くお詫びします。)
道内で唯一の、工芸部門だけからなる団体公募展「美工展」は、北海道美術工芸協会の主催です。道展、全道展、道美展にも工芸部門はありますが、美工展は工芸だけで、他の公募展にはない部門もあります。
会員展は、公式サイトによると3年に1度だそうです。
分野別では、染色6人、織4人が目立ちます。
伝統的な意匠の . . . 本文を読む
石狩管内新篠津村に「混沌窯」を構え、非常に精緻な練上ねりあげ技法の陶芸で知られる尾形香三夫さん(1949年生まれ)は、毎秋に個展を開いておられます。
色の異なる粘土を組み合わせて模様を作ります。
「単色の陶芸ならちょっと形が崩れても大丈夫ですが、これはそうはいかない。練上は制約の多い技法で、そこが難しいんです」
と尾形さんは話しますが、それがチャレンジのしがいでもあるのでしょう。
毎年の . . . 本文を読む
北海道の美術をおよそ半世紀にわたって支えてきた札幌時計台ギャラリーも閉鎖まで残りわずかとなってきた。
かつては、道内の画家、彫刻家が毎年、あるいは2、3年に1度個展を開く場というイメージが、少なくても筆者には強かった札幌時計台ギャラリー。
彼ら、彼女らの多くは、道展、全道展、新道展の会員であり、そこでの出品作や、あるいは道内では未発表の、全国の有力団体公募展の出品作を、小品とともに並べ、こ . . . 本文を読む
札幌市西区に陶芸工房 倫土ろん ど を開いている菊地絹枝さんは、白磁の器やオブジェが特徴。個展におじゃますると、色つきの釉薬を生かした器も一部ありますが、会場の大半は、清楚な白で覆われています。
今回、いちばん目立っていたのが、オブジェの「モコモコ」シリーズです。
ボーンチャイナという土を薄くして焼成しています。以前から取り組んでいますが、今回は中に LED(発光ダイオード)のあかりを仕込 . . . 本文を読む
空知管内由仁町に窯を持ち、札幌で個展を毎年開いている土橋陶媛さん。
象嵌と呼ばれる手法で、植物や花を鮮やかな色合いで描写したうつわなどで知られますが、今年は「方角組込紋」という、新たな技法による皿を2点出品しました。
「練り込み」という技法に少し似ていますが、土橋さんが18年の歳月をかけて編み出したもの。厚さ1ミリほどの色粘土10種類を積み重ねて90度回転させ、ななめに切断して、それを組み合 . . . 本文を読む
丹羽さんは1978年、札幌生まれ。
京都の大学で学び、現在は札幌を拠点に、白磁の作品を作っています。
モチーフとなっているのは、蓮の花。
冒頭は、白磁掛花入「華蓮」です。
花器としても使えるオブジェもあります。
木の枝を思わせる自由なかたちです。
それにしても、丹羽さんの磁器は、青白磁とも異なって、ほんとうに白い。
土、釉薬、そしてやすりがけなどが相まって、つやのない、 . . . 本文を読む
札幌を拠点に、関西などでも陶によるインスタレーションを精力的に発表している陶芸家、下沢敏也さん。北海道陶芸協会の副会長として事実上同会を率いる存在でもあります(北海道陶芸会とは別の団体)。
道内には、何百人もの陶芸家がいますが、「うつわ」ではないものを作り続けている作家では第一人者といってさしつかえないでしょう。
下のリンク先からもわかるように、2人展やグループ展の開催にも積極的で、陶芸 . . . 本文を読む
後志管内留寿都村の薪窯や石炭窯で作陶している加地学さん。
CONTEXT には、数年前の、清水しおりさんとの2人展以来の登場です。
江別や剣淵(上川管内)など、道内の土を使っていることもあり、鉄分の多い黒っぽい皿やぐい飲みが多いです。焼き締めが多いですが、少し青みを帯びた銅の釉薬の色もあります。
土の味が生きた、どっしりした器が並びます。
急須やポットも出品されています。
黒 . . . 本文を読む