(今後、すでに終わった展覧会について、ちょっとずつアップしていこうと思います)
松原成樹さんは北広島に窯を持つ陶芸家。
個展では、一般的なうつわではなく、独特の造形を発表する。
表面を紙やすりでみがいており、一見陶というより石の彫像のように見える。
今回のテーマは、フランスの文学者ジュール・ルナール(1864~1910)の文集『博物誌』だ。
冒頭画像は「蛇」。
これは『博物誌』で . . . 本文を読む
福井優子さんのキャンドル個展に、最終日にうかがった。
筆者も変人なので最初に目を向ける方向が普通ではないと思うのだが、会場入り口の机の上に置いてあった英ロックバンド「YES(イエス)」のCD「RELAYER」がキャンドル作品よりも先に視野に入って、おや? と思った。「リレイヤー」は1974年に発売され、イエスのキャリアではちょっと異色のアルバムとされている。
イエスのアルバムといえばやっぱ . . . 本文を読む
(追記。ところどころ修正しました)
「悠遊舎ぎゃらりぃ」札幌移転第2弾は、関西や北陸など本州に住むガラス作家5人を取り上げた。
「北海道はガラスが盛ん」
という漠然としたイメージを持っていたが筆者だったが、その先入観を打ち砕くにはじゅうぶんなグループ展だった。
もちろん道内にもすぐれたガラスの作家はいる。
しかし、本州には、高度な技法で独創的な作品を手がける作家がたくさんいるのだ。
. . . 本文を読む
浦口さんは札幌の旭ケ丘に住み、木の器やオブジェを作っている。
今回の出品作は大半が、近くの家で伐採したクリの木が材料。
漆を塗って拭くーという過程を重ねたものも多い。
会場の中央部には、木の形を生かしたオブジェが並ぶ。台には、不用になった碁盤や将棋盤を用いているのがおもしろい。
また、壁面には、壁飾りのようなオブジェも並んでいる。のこ目が入った木片を組み合わせたもので、一輪挿しなどを . . . 本文を読む
西村さんが脱落していましたので、追加しました。申し訳ありません。作品名は追って記します。
札幌で「東日本伝統工芸展」(昔は「伝統工芸新作展」と称したはずだが)が開かれたのは実に9年ぶり。
東日本だから、金沢や京都、備前、有田といった西の作品は見られないわけだが、それでも、現代的な要素を取り入れつつも伝統のスタイルを守る本州の作品を見られる数少ない機会だったから、道内巡回がなくなったときは . . . 本文を読む
十年ほど前に京都から札幌に移住してきた前田さんは、札幌芸術の森の窯を使って陶芸に取り組んでいます。
陶芸といっても、一般的な陶芸展と異なり、食器や花器などのうつわはひとつもありません。
「えっ!? これを陶でつくる?」
とビックリするようなものばかりが並んでいます。
会場中央にすえつけられた大作「南風の吹く島」。
舟、港、トンネル、古い旅館とリゾートホテル、みやげ物店と海の見えるカ . . . 本文を読む
「もう今年で、満で80歳なんだよ」
と、いすに腰掛けて話す小笠原み蔵さんは、札幌のユニークな木彫家。
すっかり高齢者のような口ぶりですが、今年も東京で個展を開いているほか、新さっぽろギャラリーや石の蔵ぎゃらりぃはやしでも個展の予定があるなど、驚くべき精力的な活動ぶりです。
昨年あたりから多く手がけているのが、来年の東京五輪・パラリンピックに向け、スポーツを題材にした作品。
冒頭画像は、ボ . . . 本文を読む
従来の素材や発想にとらわれない染織作品に取り組む小樽の加藤祐子さん。
道外や海外のファイバーワークの展覧会にも参加しています。
札幌のギャラリー創では2年ぶり3度目となる個展では、麦わら帽子の素材である「真田紐」を用いて大型のインスタレーションを展開しています。
冒頭画像、床置きの作品は「進むザワザワ」。
白い部分は、筆者は少女のかぶる麦わら帽子についているリボンかと思いましたが、帽 . . . 本文を読む
相馬康宏さんが昨年から「陶象」と題した個展を始めた。
陶といっても、うつわは1点もなし。
高さ50センチほどのオブジェが10点並ぶ。
いわゆる彫刻と異なるのは、着彩された作品があること。
また、素材が土であるため、一度削りすぎてしまうとリカバリーが難しい木や石に比べると、作る過程での成形は容易だとのこと。
もうひとつ思ったのは「正面性に乏しい」ということ。
つまり、どこから見て . . . 本文を読む
内海眞治さんは砂川に「浮浪工房」を開いているユニークな陶芸家です。
昨年、札幌の同じ会場で開いた個展の題は「ぼくのどうぶつえん」(昨年の様子はこちら。ぜひご覧ください。)でしたが、今年もカラフルに色づけされた想像上の鳥や動物が所狭しと会場を埋め尽くしています。
とにかく楽しい気分になれます。
昨年も書いた通り、手にとってみると、驚くほど軽いです。
素材にこだわりがないのも内海さんの特徴 . . . 本文を読む
札幌市手稲区で「木工房 緑舎」を主宰し、「木工人もくびと」を名乗り活動する屋中秋谷さん。
さいとうギャラリーでは、これまでグループ展に3度出品していますが、個展はじつは初めて。
「(昨年の)ト・オン・カフェも良かったんですが、このギャラリーも、とても落ち着いた雰囲気で展示ができます」
屋中さんらしい、さまざまな種類の木のかけらを組み合わせた平面作品が多いです。
左の壁面に展示されている . . . 本文を読む
「駅構内のアート展」というと、常設の壁画や小規模なものが連想されますが、これはけっこう本格的。市内八つのガラス工房が、単にアクセサリーなどを並べるだけではなく、工夫を凝らした展示をしています。
列車で小樽駅に降りた人はいやでも目に入るでしょうが、都市間高速バスや自家用車で小樽に来た人も、駅舎まで足を伸ばしてみてもいいと思います。
「小樽il PONTE」の「すのーばとる」。
全 . . . 本文を読む
(承前)
最初の展示室の作品について1本の記事で紹介するつもりでしたが、予想以上に時間がかかり、途中でアップしてしまいました。
くわしく紹介していきたいのはやまやまですが、筆者はこれまで、シリーズものを何度も途中で放棄してきた「前科」があります。(申し訳ありません)
完了しないままフェイドアウトーというのは避けたいので、出品者のみなさんには悪いのですが、出品点数も多いことですし、さくさく . . . 本文を読む
札幌の陶芸家、多田昌代さんにとって今年は超多忙の一年だったことでしょう。
夏に札幌芸術の森美術館で開かれた北海道陶芸会50周年記念展では大作インスタレーションを発表し、10月に江別に会場を移して開かれた同展には別作品を出品していました。引き続いて、11月には自らの教室展(札幌市資料館)で自作オブジェも展示し、そして今度の個展です。陶芸会の任務もあり、大変な年だったと思います。
今 . . . 本文を読む
ひたすらアデリーペンギンの器や置物を作る札幌の若手陶芸家。
10月から11月にかけてだけで、発表が4カ所。「さっぽろペンギンコロニー」というグループ展に参加し、東京でも展覧会を開いたら、なんと入場制限がかかるほどの大人気だったとのことです。
好調が持続しているみたいですね。
(このブログでも、ちえ奈さんについての過去記事へのアクセスがすごく多い)
筆者はようやく、最終日の前の夜に出かけた . . . 本文を読む