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田村審火「舞踊構想 S」 旭川の野外彫刻(48)

2021年09月30日 07時56分43秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 旭川市中央図書館の中に入ります。
 したがって、厳密に言えば「野外」彫刻ではありません。

 この人物像は1階カウンターの近くにあります。


 旭川叢書『あさひかわと彫刻』によると、田村審火 た むらしん か は1900年(明治33年)、旭川生まれ。
 東京美術学校(現東京藝大)西洋画選科に入学し、北村西望に師事して彫刻を学ぶ。
 1924年(大正13年)、第5回帝展に初入選。

 台座のパネルには1967年という歿年と「制作年不詳」という文字が刻まれています。

 モティーフは上半身裸で、腰に布を巻き付けた女性。
 右足を大きく前に踏み出し、腰をやや低めにして少しひねり、右肘を折り曲げながらも上部に高く上げ、左腕はやはりひじを曲げて後ろに向けています。
 靴ははかず、裸足です。

 また髪は、束ねているのか、それともダイナミックな動きを表現しているのか、後ろに渦巻きのように流れています。
 ダイナミックな踊りのワンシーンといった印象です。
 フラメンコの、1曲の最後のポーズのようにも思えます。



 難しい指の動きもしっかりと表現されていて、この彫刻家のたしかな力量を感じさせますが、あんまり名前は聞かないですね。

 あるいは、道内での発表が少ない人だったのかもしれません。





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