(承前)
絵画。
一般から。
協会賞(最高賞)の加賀見恵美は2点展示。
印象としては(米澤邦子+やまだ乃理子+パウル・クレー)÷3といった感じ。
佐藤弘法「外遊び-春-」。
道新賞、新会友。
もともと筆力のある人だが、これまでは、子どものアルバムを引き伸ばしたという以上の強さがいまひとつ欠けていたのかも。今回は、全体にオレンジや緑の点をちりばめ、画面の輝きを増している。
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(承前)
版画。
一般は、依然として写実的な木版が多いものの、その枠におさまらない作品も増えてきたようだ。
先も述べたが、林由希菜のイマジネーションが爆発した道新賞受賞作「夢想」は、いつまで見ていても飽きない。
高崎勝司、高崎幸子がそろって奨励賞を受賞したのもその現れか。木版では、阿南ゆう子「夏めく」が、数多い版で精緻な画面づくりで目を引いた。佳作賞。
賞には漏れた作品では、田口春 . . . 本文を読む
創立こそ道展より新しいものの、道内に疎開していた画家を中心に旗揚げされただけあって、そうそうたる顔ぶれで戦後の道内美術史を飾ってきた全道展。
かつては、北岡文雄、佐藤忠良、本郷新、難波田龍起、川上澄生といった、ふつうなら県展には所属しないであろう大家たちも会員に名を連ねていた。
その後もいろいろな有力作家が登場したが、彼ら・彼女らがベテランの域にさしかかり、人生の最終章を見据えるころになった . . . 本文を読む
道展、全道展とならび、道内の美術界の一翼を担ってきた新道展。
よくいわれることだが、道展と全道展は作品数がきわめて多く、見終わるとどっとつかれるのにくらべ、新道展は1段がけが基本でじっくり見るのにちょうどいい規模だと思う。
ただ、ことしは、新道展の歴史にとっても岐路となる(というと、大げさかもしれないけれど)展覧会になっている。
それは、ここ十数年来、力を入れてきたインスタレーション部門 . . . 本文を読む
北海道美術作家協会(道美展。道美とも略す)の第39回展。筆者は4年ぶりに見ました。道展、全道展、新道展の3つの公募展は道内では有名ですが、道美展については、美術家のあいだでもあまり言及されることがなく、このblogの読者で見に行った方も少ないのではないかと思います。
道美展は絵画、工芸、写真の3部門があります。写真があるのはめずらしいですが、この分野では「写真道展」という、道内では権威ある公 . . . 本文を読む
インスタレーション・立体造形は、林教司が絵画に転じ、野又圭司や堀部江一が不出品のため、さびしいものとなった。ビデオを用いた田中まゆみ「MEMENTO-MORI」が力作。生と死を凝縮させたかたちで表現している。
池田宇衣子は、すごくがんばっているのはみとめるのだが、筆者にはどうもいまひとつ意図が伝わってこない。合田尚美「Life is beautiful」は、隅っこの狭い空間に展示されていた。先 . . . 本文を読む
6月14日の北海道新聞によると、ことしの全道展協会賞に、千歳の島津明美さん(絵画)がえらばれたそうです。
…知らない方です。
新聞のモノクロ写真を見ても思い出せません。すんません。
道新賞には
大槻力也(絵画、石狩)
中西信行(版画、江別)
佐藤志帆(彫刻、函館)
原久肖子(工芸、帯広)
の4氏がえらばれたそうです。
新会員は
佐々木俊二(絵画、室蘭)
清野知子(版画、札幌)
川上 . . . 本文を読む
きのう書いたエントリを読み返してみて、ちょっと言葉足らずだった面があったことを反省しました。
「レベルに差」というのは、言いかえれば、感銘を受けた作品も多かったということです。
ただし、せっかくの旧作展なのに、筆者が見たことのないような昔の時代の作品で印象にのこったものが少なかったのです。
それは、着実に進歩しているため、新作のほうが断然良いという作家が多いことの裏返しでもあります。ただ、 . . . 本文を読む
「道展80周年記念展-響きあう北と南 道展会員会友/南九州作家交流展」が、11月23日(水)~12月4日(日)、道立近代美術館(中央区北1西17)でひらかれました。見て思ったことは1、テンコ盛りでボリュームたっぷり 2、時系列の逆に展示してほしかった-の2点です。
道展の会員、会友が、旧作から80号以内の作品を持ち寄り、さらに宮崎、鹿児島、熊本の3県から51点を陳列したので、あちこちで2段が . . . 本文を読む
前エントリが総論で終わってしまったので、気になった作品について。
全部をとりあげるとタイヘンなので、ごく一部ですが…。
今荘義男「古里」(空知管内栗沢町)
三つの支持体が横に接続されているが、いわゆる三連画とは反対に、中央の部分が狭く、左右がF100号のキャンバスを縦に用いているようです。
沈んだ色調の抽象画から連想されるのはマーク・ロスコですが、ロスコの絵がどこまでもキリスト教を想起 . . . 本文を読む
道立近代美術館ではこの秋、道内の三大公募展といわれる全道展(全道美術協会)、新道展(新北海道美術協会)、道展(北海道美術協会)の記念展が、それぞれの毎年の展覧会とは別個にひらかれています。
古いほうからかぞえると、道展は創立80年、全道展は60年、新道展は50年をむかえたのです。
1990年代以降は全国紙が日展などの公募展評を掲載しなくなったこともあって中央での公募展は相対的な地位を少し . . . 本文を読む