「サバクヤ心 袱紗サバキツ」
これは柳宗悦著「南無阿弥陀仏」に添えられている、
「心偈」(こころうた)の中にある言葉です。
私がこの言葉に出会ったのはもう何十年も前ですが、
まだ若かった私にも、とても心に響き、
以来点前の心構えとして大切にしてきた言葉です。
この言葉があの民芸運動に力を注いだ柳宗悦から発せられた言葉だと、
認識したのは最近のことです。
著者に興味を持ってふと手にしてみたこの本を読まなければ、
ただ心に響く言葉として胸に刻まれただけかもしれませんが。
先日の茶会で、社中の皆さんに、お点前をして濃茶を差し上げたときも、
この言葉を念じての帛紗捌きでした。
ちなみに原典では袱紗という字を使っていますが、
茶道では帛紗という字を使いますが。
今年もまた新しい気持ちで、サバクヤ心袱紗サバキツ・・です。
ところで昨日は、午前中の稽古を終えて、
急いて上野の文化会館まで。
藤原歌劇団のオペラ、「ファウスト」を鑑賞してきました。
とても迫力のある舞台でした。
歌声がセリフのごとく自然に耳に伝わり、
休憩を交えての四時間近くの時間が、長くは感じませんでした。
昼間の公演でしたが、終わった時は日もすっかり暮れていました。
友人と夕食を済ませて、遅くならないうちに家路に。
年明けて、色々とありましたが、もう二月が目の前ですね。
時の経つのが早い早い。