GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

回想録・日本の馬たち(2)~南部馬の面影~

2009年05月15日 | 日本の馬
著書『遠野馬物語』にも書いたのですが、私が初めて遠野を訪れた夏の思い出。

荒川高原に遊ぶ馬の群れにすっかり感激していたとき、馬の飼い主さんらしき人がやってきて、遠野の馬の歴史などを熱く語った後、一頭の黒い馬を指さして「あれが昔から遠野にいる南部馬の面影が一番残っている馬ですよ」と教えてくれました。
南部馬は、古来より名馬の誉れ高い日本の馬ですが、明治から昭和にかけて国が大々的な「改良」を図り、その結果、純粋な南部馬はいなくなってしまったのです。

けれど遠野では、今も南部馬の血を色濃く持った馬がいるとの事でした。それが写真の馬です。
後に、その馬は乗用馬生産者組合の一人Jさんが大切にしている牝馬だとわかりました。残念ながら、昨年その馬は亡くなったのですが、産駒たちは馬術競技大会などで活躍を始めています。また、雑誌などで女優さんや俳優さんと一緒にグラビアのモデルになることが多い娘もいます。

伝説の南部馬は、馬術世界だけでなく、たとえば流鏑馬や祭りなど日本の伝統行事で活躍の場を再び広げているのかもしれません。

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