GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

信頼関係

2007年11月21日 | 馬徒然
4月まで競走馬だったマチカネバテレンは、8歳。体に数か所の問題を抱えていたため出走回数は少ないが、ダートの短距離で4勝をあげている。
引退後はJRA馬事公苑で乗馬になった。面倒をみているのが、遠野生産者組合顧問のY氏である。

入厩当初は、とてもうるさくて扱いにくい馬だったと聞いたが、目の前にいるのはなんとも大人しく人に従順な馬。Y氏の動きで何をするのか察知し、寄り添うように覆馬場に向かった。
軽い準備運動は、Y氏の声に反応して常足、速足、ギャロップ。その後Y氏が騎乗した。その日は新しい道具を使っての訓練だったが、決して無理をすることはしない。Y氏の騎乗は、シロウトの私が見ても決して馬に負担を与えない見事なものだった。

稽古が終ると、バテレンは手綱なしでY氏について厩舎に戻った。
同行していた友人Mさんが、バテレンに使われているトウラクや他の道具がとても綺麗に手入れされていると、感心していた。乗馬インストラクターでもある彼女は、私がまったく気がつかないところにも目がいく。

バテレンが競走馬時代に抱えていた体の問題は、現在ほとんど解消されているという。騎乗する人によって、馬は心身ともに変っていくそうである。信頼関係を気づいた両者には、特別なシンパシーが働くのだろう。
馬に乗る、ということの奥深さを、改めて学んだ一日だった。
コメント
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