GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

馬と牛

2007年11月14日 | 遠野の馬
写真は2003年6月の遠野東種山で撮影。子牛が寝ている子馬に話しかけている姿がなんとも可愛くてパチリ。

小友町が管理する東種牧野は、当時牛と馬が一緒に放牧されていた。同じ牧草地に放していても、特に問題はないのである。というのは、牛が食べ残した草を馬が食べているから。
どさんこの保存・飼育を長年にわたって行なっている北大牧場では、牛の放牧が終った後に、同じ草地に馬を放牧する。どさんこたちは、牛が食べ残した草の後始末をしてくれるのだそうだ。牛と馬は、腸の働きが異なり、同じ放牧地にいても食べる草の部分が違うので、決してケンカになることはないと聞いている。
東種山では、諸事情でこの年を最後に牛と馬が一緒に放牧されることはなくなった。

写真の子牛は、自分を「牛」ではなく、「馬」だと思っていたらしい。牛の群からはなれて、いつも馬の群の中にいた。子馬も「ちょっと形が違う仲間」くらいにしか思っていなかったかも。いつも管理人さんに追われて、本来の群に戻されていた。

子牛は黒毛和牛の子、つまり「肉用」として、子馬は「乗馬」になるべく生まれてきた。
このツーショットは、ほのぼのした光景のようで、その運命の違いに切なさを感じる1枚でもあった。
コメント
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