GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

出産

2007年03月31日 | 馬徒然
遠野から仔馬出産の便りが続々届き、サラブレッドの出産に立ち会ったときのことが甦った。
初めてのお産に臨んだ母馬がいた。夜11時ごろ、牧場の人たちはその日に出産予定だったほかの母馬のもとに集っていた。でも、突然産気づいたのは初めてお産をする別の馬だった。幸い安産で、母馬そっくりの青毛の牝馬が無事生まれた。スタッフがタオルで体をふく。その後、仔馬はいなないて母を呼んだ。初めてのお産の場合は、子馬の声に母馬が応えなければ、その母馬は子どもを認識できずに、子育てを放棄するという。牧場の人たちは、仔馬の声に母馬が応えるのを固唾をのんで見守っていた。母馬は大きくいなないて仔馬に応え、そして濡れた体をやさしくなめ始めた。それを見て、牧場の奥さんと一緒に、私も泣いてしまったのだった。
その仔馬は無事競走馬となり、JRAを経て水沢競馬で勝ち星をあげた。
その子のすぐあとに生まれた栗毛の牡馬は、現在2勝で5歳現役、明日福島競馬場で走る。
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