五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月の河合荘

2017年07月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年8月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●僕らはみんな河合荘 (宮原るり 先生)

 

 今回は、番外編「林ちゃんの騒がしい1日」!

 冒頭、すっぴんから化粧を施す姿が、まるでマジック状態の林さん。
 別人とも思えるほどのメイク・テクニック、さすがという他ありませんね(^^;

 そんな彼女を中心にして、周囲の人々のあれこれはもちろんのこと、
 林さん自身の前進が、描かれるお話になっていました。

 まず、林さんが書生喫茶へ出向くと、そこには黒川くんと宇佐くんが。
 宇佐くんは急用ができた山本くんの代役ということで、久々の書生姿です。

 

 

 

 宇佐くんと。

 律さんとの待ち合わせまで時間があるのでは?
 と、宇佐くんに聞かれる林さんでしたが、質問には答えずに、
 宇佐くんが律さんの予定を、きちんと把握していることを評価していて面白い。

 林さんは、黒川くんと話をする時間を作るために早く来たのでしょうけど、
 それを悟られぬよう、話を別方向へ持ってゆくテクニックはお見事でした。

 また、律さんを『彼女』、宇佐くんを『彼氏』と呼ぶことで、
 宇佐くんを浮かれさせていたのも、愉快でしたね(^^;

 

 

 

 黒川くんと・・・

 黒川くん、宇佐くんと律さんが付き合い始めたことを知って、
 林さんにデザートを差し入れ、そして一言「おつかれさま」と声をかけています。

 が、これが何と言うか、林さんに対する“過剰な気遣い”に思えて、
 しかも、それを林さんも自覚していて、微妙な感じなのは大笑いでした゚(*゚´∀`゚)゚

 つまり、好きな人=宇佐くんの恋を応援した林さんが、2人が付き合ったことで
 失恋状態になっている所を、労わられている図になっていると・・・

 でも、黒川くんのその気遣いは、林さんにとっては、未だに宇佐くんを好きだと
 彼に誤解されていることでもあるので、割とショックでもある様子。

 思わず涙ぐんでしまう林さんに、黒川くんのさらなる優しさが加えられていたのは、
 彼女には気の毒だけど、笑ってしまいました(´▽`;)

 もうすでに、黒川くんの方が本命になっているわけで、そのあたりで誤解される
 林さんの心情は察して余りありますね。

 

 

 

 椎名さんと。

 そこへやって来たのは、椎名さんと佐久間くん。
 何だかんだで仲良し2人組な様子が、楽し気で良い感じでした。

 そんな2人を見て、宇佐くんが「熟年夫婦」みたいだと茶化すのも納得です。
 まあ、そこから自分と律さんを夫婦に見立てようと妄想を走らせるあたり、
 彼の浮かれっぷりが可笑しかったり。

 そうした宇佐くんの態度を、「幸せそうですね」と眺める椎名さん。
 さらに、今後はゲームに誘うのも控えようと言い出しているのも、
 彼女の人柄を感じさせて爽やかでしたが・・・

 と、ここで佐久間くんが突如、爆弾質問!
 「やっぱりお前も、宇佐先輩のこと好きだったんか?」と来たもんだ。

 花火大会で、宇佐くんと律さんが手をつないでいるのを目撃した際、
 椎名さんの様子がおかしかったことから、佐久間くんは察したようで、
 なるほど、これは確かに誤解(?)されても仕方ないかも。

 さらに、混乱して墓穴を掘る椎名さん。
 そのことから確信を得た佐久間くんが、彼女に慰めの言葉をかけていたのは、
 優しいといえば優しいのだけど、慰められる方はたまったものではないという(^^;

 林さんの時もそうですけど、微妙に食い違った誤解を、いかにも「わかってますよ」
 といった風にされてしまうのって、いたたまれないものがありますよね、わかる~。

 宇佐くんも、椎名さんと佐久間くんの仲を誤解(?)しているようでしたし、
 こういった「察し」って、色々とややこしいものであります。

 

 

 

 高橋くんと律さんと。

 続いてやって来たのは、高橋くんと律さん!?
 2人での来店に、心穏やかでないのは宇佐くんですが・・・

 すぐさま律さんが駆け寄って来て、誤解を解いていたのは微笑ましかった。
 「誤解しないで・・・」と語りかける所とか、たまりませんね。

 高橋くんとしては、動揺させて面白がろうとしていたようですけど、
 当てが外れた感じで、ちょっぴり痛快・・・と思っていたら、次の手が繰り出されて、
 見事に宇佐くんが悔しがっていたのは、愉快でありました!

 わざわざ宇佐くんの目の前でやるあたり、狙ってますよねえ。
 ホント、高橋くんは爽やか黒いわ~、面白いわ~。

 そして、律さんの相談を受ける林さん。
 宇佐くんとの関係についての相談に、適切な助言を与えながら、同時に律さんの
 変化を感じていて、「仏像」が「ハート型の風船」になったと例えていたのは面白い。 

 また、その「仏像」を変えた宇佐くんを讃えると、彼もそのことを自負していて、
 「俺も自分をよくやった!って思う」なんて言いながら、笑顔を見せていたのがよかった。
 長かったですからね、感慨無量。

 

 

 

 そして、林さん自身の前進は・・・

 お店が終わるまで、外で黒川くんのことを待っていた林さん。
 黒川くんは「宇佐くんはもう・・・」と言いかけますが、
 ここで彼女が大きな勝負に出ていてのには、うひゃあとなりましたよ!

 黒川くんは、自分が好かれているとか考えないタイプの人なのか、
 林さんのアプローチにも、これまで気づいてくれることはなかったものの、
 だからこそ、ストレートに突撃する林さんが、勇者に見えてまぶしかった。

 それもこれも、宇佐くんが律さんを変えたことについて、
 自分で「よくやった!」と誇らしげにしていたことが背中を押したようで、
 これって大事なことだと感じさせられましたね。

 好きな人へのアプローチを、後悔ないように、精一杯やりきること。
 後で「よくやった!」と自分で言い切れるほど、頑張ること。
 結果はともかく、その姿勢と心意気は、大きな力となることでしょう。

 などなど、林さんの騒がしい1日が描かれた今回。
 彼女視点で眺めた人々や、彼女自身の心情が面白おかしくも、
 素敵な内容でありました・・・なんて感じつつ、今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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