五里霧中

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◆ 今月のナポレオン

2015年05月06日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2015年6月号より

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 爵位を得る人々・・・

 ジョゼフ・フーシェはオトラント公爵、ランヌはモンテベロ侯爵と、
 他にも様々なナポレオン旗下の人々が、爵位を得ています。

 しかし、言うなれば“成り上がり”な彼らへの、旧貴族たちからの視線は厳しいようで、
 ダンツィヒ公となったルフェーヴルの奥方などは、うんざりしている様子。
 けれど、そんな中でも、たくましくふるまう彼女の姿は、なんとも頼もしかったですね。
 そりゃ、ルフェーヴルさんも尻に敷かれるわ(´▽`;)

 フーシェへの視線も「国王殺しのジャコバン」など冷たいものがありましたが、
 本人は一笑に付しつつ、爵位などに勝ちを感じていないあたり、彼らしい・・・
 のですが、奥方が公爵であることを「立派」だと評価すると、自分も嬉しい
 なんて言っちゃうところが、家族思いのフーシェといった趣で、面白かったですね~。

 

 

 

 「俺はいい王様になりたいんだ」

 ベルクとクレーヴ大公となったミュラ。
 奥方のカロリーヌは、「そんな小国、聞いたこともないわ」なんて言ってますが、
 ミュラ本人はだいぶ気に入っているというか、政への意識を抱いている様子。

 小国とはいえ自分の領地・領民をもち、自分が善良な“王様”になることを、
 無邪気に望んでいる純真さが、なんとも気持ちの良い印象を与えてくれます。

 「いい王様になりたい」「昔話みたいな」
 そんな風に語るミュラの無垢さは、誰もが抱いた“夢”を思い出させてくれるような
 清々しさがありましたね・・・ ゆえに、爽やかで好感触でありましたよ!

 こうしたミュラのよき王でありたいという姿勢は、後の背反への伏線なのかも?
 もし、“そのとき”のミュラの動機や心情が、ここから発するのであれば、
 私は今までミュラに対して抱いていたイメージを、払拭することになるでしょうね~。

 

 

 

 スペイン王室の内情・・・

 狩りにしか興味のない王様、サルに似た王妃様、その愛人であるゴドイ首相、
 さらに残念王子様と、スペイン王室は様々な問題の火種を抱えているようで・・・

 そんな事情がこじれにこじれ、ナポレオンのポルトガル侵攻に伴い、
 ゴドイ首相の失脚、王の退位、王子の即位と、情勢は大きく動いたものの、
 ミュラのスペイン王位への野心によって、さらにドロ沼化していて、いやはや何とも。

 そして、ナポレオンの眼前で繰り広げられる王室の言い争い。
 さすがのナポレオンも、「こいつら全員馬鹿だ」と、内心呆れているのは笑いましたが、
 スペインという国にとっては笑い事じゃありませんよねえ。

 
 実際の王様(カルロス4世)も、狩りにしか興味のない人物だったようで、
 王妃様と首相に政務を任せっきりだったらしく、「馬鹿」と評されるのも、やむなしか・・・
 対して、王妃様(マリア・ルイサ)は野心的な女性で、権勢をふるっていたようですね。

 ゴドイ首相は、「平和公爵」なんて称号も持っていた人物だったようで、
 確かに王妃様のお気に入りで成り上がったものの、それなりに優秀だったかも?
 と思われるようなのですが、詳しくは存じ上げないので、何とも言えないです。

 『大陸軍戦報』では、ゴドイ首相を不道徳かつ野心家と評していますが、
 「裸のマハ」を描かせた人物(未確定?)ともあって「へ~」となりましたよ(^^;
 作中でも出てきていている絵画ですね。

 残念王子(フェルナンド7世)は、一部の民から期待された人物のようでしたけど、
 その民を裏切ったり、その後も無為無策ですごしたりと、確かに「残念」だった様子。
 う~ん、スペイン王室、悲惨ですねえ。
 

 

 

 スペイン、起つ・・・

 運命の日、5月2日。
 王室の内紛は、ナポレオンの思惑とも重なり、
 やがて新国王フェルナンド7世の退位へと、つながってゆきますが、
 この退位が、スペイン国民にナポレオンへの疑念を抱かせることに・・・

 スペイン国民にとっては「希望の星」だったフェルナンド7世の退位。
 さらには、王位をナポレオンが決めるとあっては、国民の怒りも頂点に!

 そしてついに、フランスの支配を嫌ったマドリードの人々が蜂起するに至り、
 フランス軍兵士とスペイン国民の衝突は、大惨事を引き起こします。
 その惨状を描いた見開き場面が圧巻でしたね・・・

 もはや、誰にも止められない状況。
 ミュラも武力をもって制圧するしかなく、やがて暴動は沈静化するものの、
 広場に倒れた母子の姿を眺めつつ、自分の夢である「いい王様になりたい」
 を思い起こしながら落胆する姿が、たまらなく切なかったですよ。

 彼の夢を肯定してくれた側近さんが、暴動の中で命を落としたことは象徴的で、
 それはミュラの夢があまりに儚いものであることを示しているよう。
 あまりにも、やるせない・・・・・・

 ラストページ、ミュラの立ち姿に重なって、柱に書かれた言葉が刺さってきます。
 こうして、いよいよスペイン独立戦争が始まるわけですけども、
 これは、ナポレオン没落の幕開けといえる戦いかもしれません。
 なんて思いつつ、不安を抱えながらも、今後も楽しみです!
 

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