「お気に入り」1巻作品です。
裁判傍聴マンガである同タイトル作品の新シリーズ。
『裁判長!ここは懲役4年でどうすか ~ぼくに死刑と言えるのか~』1巻
(漫画:松橋犬輔 先生 原作:北尾トロ 先生)
「この漫画は実際の裁判傍聴記を元に再構成したものです。」
新シリーズの進行役は、31歳で会社を辞めてライターをやっている北尾太郎。
この巻で彼が傍聴しているのは、
・ 裁判員が女性ばかりの強姦事件
・ 少年がみた母親の父親に対する殺人未遂事件
・ 風俗の歯止めがかからない変態男の業務上横領事件
・ ドS検察官・星川梨沙子が担当する殺人未遂事件
の4つの裁判と、バリエーションに富んでいます。
いずれも興味深い人間社会の一端が垣間見れるような内容ですが、
1つ目の事件の判決は、けっこうニュースにもなっていましたよね。 判決知ってましたし。
この新シリーズの見どころは、裁判員裁判です。
いつ自分がその立場に立つかもしれないという緊張感に、
物語へと引き込まれる度合いも一層深まるというもの。
自分ならどう判断し、どう選択するのか、まさに副題通りに
「ぼくに死刑と言えるのか」という心情にならざるをえません。
ただ、これは前作も同様だったのですが、私が気にするポイントが1つあります。
それは、物語的に「お涙ちょうだい」な展開を見せる裁判があること。
もちろん、お話として楽しむという面では問題ないのですが、
これを裁判員視点で見てしまうと、いささか警戒が必要かな・・・と。
そんなこと言うと冷たいと思われてしまうかもしれませんが、私はこの点が気になるのです。
マンガとしてはフィクションですが、実際の裁判傍聴記録を元にしていることから、
安易に情に流されて判断を誤るのは危険なのでは? と、考えてしまいます。
・・・なんて、少し堅苦しいかもしれませんね。
いずれにしても、裁判員裁判も始まってから、それなりの時間経っていますし、
興味深い題材の作品であることに間違いなし。 今後にも期待です!