五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

【お気に入り】 『3.11 東日本大震災 君と見た風景』

2011年07月08日 | ◆「お気に入り」  4コマ漫画

単巻完結の4コマ作品です。

 

 

『3.11 東日本大震災 君と見た風景』 (平井寿信 先生)

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 「あの瞬間が奪っていったもの」 「僕らの人生に残したもの」(オビ文より)

 ブログサイト「言戯」に掲載された震災当時のエッセイ4コマに、

 描き下ろしを加えた作品となっています。 震災以降、私もブログの方で拝読していました。

 

 タイトル通り、東日本大震災のときの様子を描いたもので、

 宮城県在住の平井先生ご自身と、妊娠9か月の奥様、4歳の娘さんの置かれた状況が、

 赤裸々に語られています。

 はじめ、地震が頻発していたところから始まり、しかしやがてそれにも慣れてしまい、

 余裕をもって過ごしていたら、3月11日にその「日常」が崩壊してしまう・・・

 その状況と衝撃が、エッセイというカタチでもって描かれているのは非常に興味深いです。

 

 その状況での心情・行動はもちろん、そこから導き出される震災時の必需品などについて

 知ることができるのもタメになるかと思われますし、生活の崩壊から立ち直るため、

 どれだけ多くの人々と共にふんばることが大切か、そうした感覚を覚えられる作品ですね。

 このような実録ともいえる作品は、さまざまな意味で資料となりえますし、

 ある程度、私にとって「自戒」ともなった気がします。

 

 


【お気に入り】 『裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか』

2011年07月08日 | ◆「お気に入り」  マンガ

単巻完結作品です。

 

 

『裁判長!ぼくの弟懲役4年でどうすか』

 (漫画:松橋犬輔 先生  原案:北尾トロ 先生)

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 「弟が逮捕されたので漫画に描きました。」(オビ文)

 『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』の作者先生が、弟氏逮捕の実話を描いた作品。

 ある日、松橋先生の仕事中にかかってきた電話は、弟氏が逮捕されたという一報。

 そこから判決が出るまでのおよそ9ヵ月、全8回の公判の記録となっています。

 

 それまで裁判を傍聴したり、そのことについて漫画を描いていた側の松橋先生が、

 身内の方が被告側で裁判を受ける立場になってしまったというのは、

 こう言ってはなんなのですが、興味深いものがあります。

 担当さんとの温度差(当事者と他人の違い)、周囲からの風当たり、家族内での苦悩など、

 「被告側」という立場の緊張感がよく伝わってくる内容になっていました。

 

 ただ、身内である弟氏に対する厳しさはあるのですが、

 裁判長などに対するイメージ付けが、「被告側」からみるソレとなってしまっている点に、

 やむを得ないとはいえ、いささか懸念のようなものを感じてしまいました。

 しかし、さまざまな苦悩があり、実際に家族全体で巻き込まれる姿には、

 しんどさが並々ならぬものであるという印象を強く受けたので、

 そのあたり当事者視点となるのは、読者側が察しつつ読み進めるのが良いのかも。

 

 


【お気に入り】 『ザンガード』

2011年07月08日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」単巻完結作品です。

 

 

『ザンガード』 (柴田ヨクサル 先生)

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 「オンリーワンな ぶっ飛び ヒーローバトル!!!」(オビ文)

 『ハチワンダイバー』に登場する真剣師・斬野シトを主人公とする番外編。

 本編とは違って将棋ではなく、“ヒーローバトルもの”となっています。

 

 斬野がそよと「真剣」で指した時期の話。

 自分が勝ったら、そよの“型”をとらせてもらうという条件での勝負。

 一方その頃、秋葉原の街では、オタクをねらったカツアゲ事件が起きていた!

 そこへ出動するのは、謎のフルアーマー・ヒーロー、ザンガード!!

 この物語は、秋葉原の平和を守るために戦うザンガードの活躍を描いたものなのです。

 

 ということで、本編とちがって将棋はほとんどやりません。

 はじめの斬野とそよの対局くらいで、あとはアキバを守る戦いが中心となっています。

 まあアキバを守るといっても、変な奴らの襲来から守っている?だけですけども。

 ただ、この“敵”が、アキバのいわゆるオタク根絶を目的としている点に、

 何かしらのテーマ性があるやもしれず、そうした観点で読んでみると、

 しだいにエスカレートしていく“敵”の攻撃と、それへの対抗にも意味がありそうな気もします。

 

 ・・・なんて難しく考えずに、オタク文化を守ろうと奮闘するザンガードの勇姿を、

 じっくりたっぷり堪能しながら楽しめる作品かと思います。

 柴田先生の作風にふさわしく、燃えて盛り上がってゆく感覚がよかった!

 ラストの言葉が、やはり大切・・・ですよね。