五里霧中

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【お気に入り】 『蒼海の世紀 -王子と乙女と海援隊-』1巻

2011年07月15日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」1巻作品です。

ジャンルは海洋戦記。 架空の時代の日本を舞台にしています。

 

 

『蒼海の世紀 -王子と乙女と海援隊-』1巻

 (野上武志 先生 × 鈴木貴昭 先生)

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 「坂本龍馬が暗殺されなかった もうひとつの20世紀が ここに始まる・・・。」(オビ文より)

 この国から、世界から、逃げ出したがった少年・李家鳴海が、浜辺で出会った隻眼の女性。

 彼女がいる海へ出るため、日本帝国海軍兵学校へと入学した李家は、

 大正3年(1914年)、“海援隊”の艦艇「みかさ」へと乗り込むことになるのだった・・・

 

 そんな感じで始まる本作品は、いわゆる架空戦記物語となっています。

 坂本龍馬が暗殺されず、ゆえに彼が設立した海援隊もそのまま残存し、

 この時代には帝国海軍の支援総隊となっているという設定。

 しかも、そこに所属しているのは、ほとんどが女性!

 表紙をかざっている鈴木少尉をはじめ、李家があこがれる隻眼の女性もいます。

 

 そうした感じなので、奔放な少女たちのかしましさになごむ様子もあるのですが、

 重厚な軍事知識に裏打ちされた内容は、しっかりとしたものになっており、

 艦艇の描かれ方、死と隣り合わせの戦闘、女性にとってけっこう厳しめな描写もあったりと、

 シビアな架空戦記世界を見事に作り上げている印象です。

 後半の敵との戦闘には、なかなか燃えました。

 

 もとは同人誌作品ということもあって、やや拙さや不足感を覚えたりする部分もありますが、

 大正期の時代背景や、そのあたりの軍事モノに関心のある方ならば、

 けっこう楽しめる作品になっているのではないかと思います。

 まあ、普通に戦う女子を見たいという不純な動機で読むのもアリかも・・・

 李家くんに裸を見られても、キャイキャイ騒ぐたくましき女性陣などを楽しめますし(ぇ

 あと、李家くんと鈴木さんの関係とか、隻眼の女性との関係とか、謎な床屋のじいさんとか

 ・・・いろいろ面白いですよ。

 

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 最後に1つだけ・・・

 「武人として 興奮を禁じえん・・・!」

 このページ(p132)で、思いっきり誤解してしまったことはナイショです。

 あやうく「おっさん、おっさん!」と、ツッコミを入れそうになってしまったよ!