五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

【お気に入り】 『X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋』

2011年07月24日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」単巻完結作品です。

ジャンルは、アメリカン・コミックのヒーローもの・・・でしょうか?

 

 

『X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋』

 (WRITER:Jeff Parker

  /PENCILERS:Roger Cruz with Paul Smith)

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 「知られざる若きX-MENの物語。」(オビ文より)

 訳者は高木亮先生。 さまざまなアメコミを訳されておられる方のようです。

 「X-MEN」は有名なアメリカン・コミックスのシリーズ作品。

 

 内容は、超人的な能力を有するミュータントと呼ばれる存在の集団であるX-MENが、

 人類に敵対するミュータント勢力や、そのほかの害意ある超人的な存在から、

 平和を守るために戦う姿を描いた物語。

 

 しかし、単なる勧善懲悪というわけでもなく、人類からの偏見に悩み苦しんだ挙句に

 人類にあだなすことになるミュータントが描かれるなど、マイノリティへの差別の問題を

 含んだ社会的テーマを感じさせたりもして、興味深く読める作品となっています。

 そんな中でX-MENは、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授の教えに従い、

 ミュータントの力を平和に生かすことと人類との共存のために、日々戦い続けるのです。

 

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 本作品は、X-MEN創設期5人の活躍を全8話で描いています。

 それぞれが特殊な能力を備えたミュータント。

 

 各々が個性的すぎるメンバーの活躍がヒーローにふさわしいものであると同時に、

 その異能ゆえに苦悩する姿は人間的かつ若者的。

 しかしプロフェッサーXの指導の下、団結した彼らの活動はそうした悩みすらこえて、

 言葉にできないような感動を与えてくれたりもするのです。

 

 私はかなり楽しむことができました。

 10代のころ読んだアメコミ作品よりも、より日本マンガ的(コマ感覚?)になっており、

 ゆえに読みやすかったことは、日本での読者獲得にも大いに貢献する気がします。

 また内容も、8話すべて面白い!

 ヒーローだけど、とても人間的というキャラクター造形が惹かれる要素でしたね。

 

 ただ、マグニートーとプロフェッサーXの関係や、センチネルの存在などなど、

 予備知識がないとよくわからない部分もあったのではないか?と思われますけれども、

 私もよく知らない存在も登場したりしていたので、そんなに気にすることないのかな。

 私などは、かなり楽しむことができました。

 ぜひとも続きを読みたいくらい、ホント面白かったです!

 

 


【お気に入り】 『岸辺露伴 ルーブルへ行く』

2011年07月24日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」単巻完結作品です。

ジャンルは・・・ロマンホラー?

 

 

『岸辺露伴 ルーブルへ行く』 (荒木飛呂彦 先生)

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 「“世界一黒い絵”を追って、露伴、美の殿堂へ――!」(オビ文より)

 『JOJOの奇妙な冒険』第4部に登場するキャラクター・岸辺露伴を主人公に、

 日本からルーブルへと舞台を移しながら描かれる愛蔵版フルカラー・コミック!

 

 岸辺露伴は、日本の漫画家。

 彼にはある特殊な能力がそなわっているのですが、

 そのあたりはさほど気にせず読める作品に仕上がっていますね。

 JOJO読者でなくとも入りやすいかもしれません。

 

 物語は、露伴がルーブルを訪れるきかっけとなった出来事、

 彼がまだ学生だったころに出会った人妻・藤倉奈々瀬との関わりから始まります。

 微妙に距離を取りつつも、なんとなしに彼女へ惹かれる露伴は、

 やがて奈々瀬から「最も黒い絵」の話を聞くこととなり、

 その記憶を頼りとしてルーブルへ赴くことになるという展開。

 

 どこか謎めいた女・奈々瀬の語った「最も黒い絵」とは何なのか?

 露伴はその絵を目にすることができるのか?

 そして、そこで起きる奇怪な出来事から、その恐怖から、逃れることはできるのか・・・?

 さすが荒木先生といった感じに、ハラハラしながらも早く早くとページをめくりながら

 読み進められる面白さがありました。 まさに黒へと引き込まれる感覚!

 そして露伴が至る真相に、不思議な感慨を覚えたり・・・

 

 ただ、ルーブルで遭遇する「恐怖」や、そこで露伴がとった行動などは、

 JOJO読者には「どこかで見たことある」ようなものでもありそうでしたし、

 また、大型でフルカラーというのは嬉しいところではあるのですが、

 約2700円というお値段は、必ずしもお手頃とは言えない面もあり、

 ファンでないと厳しいかもしれない・・・といった印象はありましたね。

 

 とはいえJOJO好きで、かつ露伴好きなら楽しめる内容。

 荒木先生風ホラー空間をじゅうぶん味わえた私には、満足な作品でありました!